VOCALOIDで歌を打ち込む場合、フレーズの最後の音で語尾にブレスを入れると、結構生っぽく聴こえます。
初歩的な事ではあるのですが、そのブレスを入れる方法3種類を紹介します。
1. E.V.E.C. Voice Release
まず最初に紹介するのは、初音ミクを代表とする「V4X」シリーズの搭載機能「E.V.E.C. 」による「Voice Release」を使う方法です。
打ち込み方は、Vocaloid4 Editorだと、音の最後に音素記号で「 *#1 」と打ち込んだノートを置きます。
そして、これを鳴らしてwavで書き出してみた波形がこちら。
母音の最後にブレスが付きました。
コントロールパラメータを全くいじってないので、ブレス音は若干小さめですが、キャラによってもブレス音が違ってきます。オケとのバランスを見て音量を調節すると良いです。
で、音素記号「 *#1 」は長さの短いショート・ブレス音でして、長いロング・ブレス音も用意されているます。こちら音素記号「 *#2 」です。
これを書き出したのがこちら。
少し長めのブレスが付きました。ロングブレスの方がショートより目立つ音ですね。
E.V.E.C.のVoice Releaseは、語尾用のブレス音なので音はリアルです。ただ、Vocaloid Editorでは打ち込むポイントと実際に鳴るポイントが、多少ずれます。
上の画像では、ブレス音は小節の頭に打ち込んでますが、鳴らしたwavはその手前でブレス音が鳴っているのが確認できます(薄い縦線は拍を表してます)。これはブレスの長さがノートの長さに関わらず決まっているためだと思いますが、その点は注意しましょう。
2. は行の摩擦音
語尾のブレスは、は行の摩擦音を使っても表現できます。たとえば「あ」の語尾ではブレス音として、「は」の子音の音素記号「 h 」を打ち込みます。
それを書き出したのがこちら。
この方法だと、ブレス音はノートの長さを調節して、好きなだけ伸ばせます。ただ、そのままだと機械的な音になるので、ダイナミクス・パラメータでフェードをかけるなどした方が良いでしょう。
ちなみに、この例では母音は「あ」ですが、母音が「い」の場合はブレスの音素記号は「 C 」、「う」の場合は「 p¥ 」を使うのが一般的です。
これにより、それぞれの母音に合った音色のブレスを付けることができます。
3. “母音”_0
VOCALOIDでは音素記号「“母音”_0」でささやき声を表現することができます。で、それをブレスに使うことも可能です。
たとえば母音「あ」の音の最後に音素記号「 a_0 」と打ち込んだ、ブレス用のノートを置きます。
それを書き出したのがこちら。
音量的には、他のブレス音に比べ大きめです。ただ音色が少しだけハイが上がり気味なので、そこを抑える処理はした方がベストです。
もちろん母音に応じて、ブレス用のノートの音素記号も変えます。「い」だったら「i_0」、「う」だったら「M_0」「え」だったら「e_0」、「お」だったら「o_0」といった感じです。
最後に
ブレスに関してはオケに埋もれて聴こえなくなることも多いです。なので、オケと混ざったときに聴こえやすい音を選ぶと良いでしょう。
あと、ライブラリによってうまく鳴る場合と鳴らない場合があるので、ご注意ください。
Mitchie M のコメント
歌の上手い人はブレスも綺麗だったりします。
▼ 他にもこんな記事を書いてます。
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
コメント
お疲れ様です
やり過ぎない、自然よりちょっと強調されてるくらいの表現が難しくて…ほんと奥深いですね
また、音楽は人によって好みが違いますからプロの方はさらに大変ですね
どうもです!特に息遣いなどは言われて気づく程度の音量ですからね。(^^;)
歌のテンポとか歌い方(普通に歌うかラップ調か等)とかでも違いますよね。
やっぱり、VOCALOIDは奥が深いですね^^;
そうなのです!何年使っていても難しいです。(^^;)
ブレスも奥深いですねぇ。
でも今回の記事で特に興味深かったのが、ブレス音の技術から派生して囁き声が出ることです。
めっちゃなるほど! と思いました。
いつかDTMやってみたいなぁ^-^
どうもです!ボカロの技術は進化してるので、まだまだリアルになると思いますよ。^^