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ボーカルを綺麗にミックスのためのエフェクトの挿し方を紹介

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今回はボーカルをミックスする際のエフェクトの挿し方を紹介したいと思います。

自分はボカロ曲制作がメインなので、ボカロに合わせたセティングで紹介しますが、人間のボーカルのミックスでも基本的には同じような感じです。

あと話がLogic Proを使った例になりますので、他のDAWを使ってる方には申し訳ございません・・・。

エフェクトを挿す順番

まずボーカル・トラックにエフェクトを挿す順番ですが、自分は毎回下記のようにしてます。

logic ボーカル プラグイン

  1. Channel EQ(イコライザー:カット用)
  2. Multipressor(マルチバンドコンプ:中低域のカット用)
  3. Compressor(コンプレッサー:音量のばらつきを抑える)
  4. Channel EQ(イコラーザー:ブースト用)
  5. Exciter(エキサイター:高域成分の付加)
  6. AVOX WARM(チューブサチュレーター:歪みを加える)

AVOX WARM以外はLogic Pro付属のプラグインです。コンプとEQは最終的にSonnoxのものに差し替えることはありますが、Logic Pro付属のプラグインだけで作ってた時期もあるので、それだけでも十分行けると思います。

あと歯擦音を抑えるディエッサーは使ってません。歯擦音はオーディオ編集で一つ一つ抑えた方が綺麗に仕上がるので。

ではそれぞれのエフェクトについて解説します。

1. Channel EQ

ここでは不要な低音成分をカットするのにEQを挿します。場合によっては抜けの悪い原因となる中低域も少しカット(特にボカロ)。

channel eq ボーカル

設定は声や曲調によって違うので一概には言えないのですが、基本的には低域はローカットフィルター、中低域にはピーキングEQを使います。

自分の経験ではローカットフィルターのスロープは-12dB/Octが良いでしょう。

カットする周波数については固定しないで、抜けの悪い声の部分ではオートメーションを書きます。詳細は下記の記事にて。

ボーカルのローカットのオートメーションを書いて歌を聴こえやすくする方法
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また、声をダブルにした場合は、中域以下の膨らみが気になるので、その際はシェルビングEQで中域以下をカットすることもあります。

ここのEQではブーストは行いません。

2. Multipressor

ここでは、前段のEQで抑えきれなかった中低域を抑えるためにMultipressorを挿します。

Multipressorはマルチバンドコンプですが、300~500Hzを抑えるようなシングルバンドにして使用。

multipressor

上の画像では2番のコンプのみをオンにして、中低域にかかるよう設定。他のバンドはバイパスにしておきます。

リダクション量は最大でも-5dBくらいでしょうか。時々コンプがかかるくらいにスレッショルドを設定すると良いです。あまりかけすぎると声が細くなるので注意してください。

もちろん中低域に問題がなければ、Multipressorは挿す必要はありません、

3. Compressor

ボーカルの音量を揃えるのに使うコンプは、Logic Pro内蔵だとCompressorの「Studio VCA」が良いでしょう。

スクリーンショット 2018 08 24 21 26 48

「Studio VCA」は自然な感じでそれほど強くかからないコンプが特徴です。そしてしっかり低音も保ってくれるのでボーカルにちょうど良いです。

アタックは速めに設定しすぎて、言葉の頭を潰しすぎないようにしてください。レシオは曲調にもよりますが、3:1~6:1くらいです。リダクション量は最大で-6dBになるくらいでしょうか。

自分はどちらかというとコンプで音を揃えるより、ボリュームを細かく書いて対応してます。その方が自然な感じに仕上がります。

なお、オケにボーカルが埋もれてしまう場合には、「Vintage FET」の方がコンプのかかりが良く音を前に出してくれるので、こちらを使ってみると良いでしょう。

▼ 参考記事

ミックスでボーカルを綺麗に仕上げるための音量コントロール
この前のコンプの記事で、 ボーカルはコンプで音量を揃えるよりは、細かくボリュームを書いた方が良い結果が得られると個人的には思ってます。 と書いたので、それについて詳しく述べたいと思います。 ▼ この前の記事: どれくらいボリュームオートメー...

4. Channel EQ

ここのEQはブースト専用です。主に高域を上げるのに使います。

channnel eq

あと声の太さが足りない場合は、低域の基音をほんの少しだけブーストすることもあります。

ブーストする帯域などの数値設定は声や曲調によるので、一概には何とも言えません・・・。

5. Exciter

ここではエキサイターを使って高域成分を付加し、少し声の抜けを良くします。

exciter

周波数は毎回15900Hzに固定で、「Color 2」のタイプを選択。

Harmonicsは10~50%の範囲でしょうか。上げすぎるとシャリシャリした高域が耳障りな声になるので注意。

特にボカロの場合、書き出した声の状態にもよるので、実際に音を聴いて設定しましょう。

もちろん高域が十分出ていれば、エキサイターを挿す必要はありません。

6. AVOX WARM

ここではAVOX WARMを使って、チューブサチュレーションをかけて歪みを加え、声を前に出します。

avox warm

セッティングは毎回上の画像のような感じです。隠し味程度ですね。

あまりDriveを上げすぎると声が歪みっぽくなります。それを狙ってるのでなければ、歪みが目立たないくらい小さめにしておきましょう。

▼ 参考記事

初音ミクの声を上手くミックスする方法。チューブ・サチュレーション編
前々回、オーバードライブによる歪みで倍音を付加すると、音が太くなり楽器の音が前に出てくるという事を書きました。 ▶︎ 参考記事:Logic Pro付属エフェクト「Overdrive」の使えるプリセット もちろんこれはボーカルにも当てはまりま...

最後に

最近ではボーカルエフェクトを一つにまとめたプラグインも存在してますが、やはり個別に挿すと音作りの自由が効いて便利です。

あと、エフェクト・センドでかけるディレイやリバーブでも、だいぶ音の印象が変わって来ます。それについての記事はこちらです。

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エフェクトの挿し方は人それぞれだと思うので、何か参考になれば幸いです。

 この方法でミックスした楽曲を収録したアルバムはこちら

 

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Mitchie M のコメント:

 

同じ声でもボーカルとコーラスではセッティング内容が違ってきます。

 

【著者:Mitchie M @_MitchieM

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