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Logic ProのVintage Console EQの音のかかり方を検証してみた

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Vintage Console EQ

名機NEVE 1073をエミュレートした、Logic Pro内蔵のEQ「Vintage Console EQ」。

Mac 用 Logic Pro および MainStage の Vintage EQ について - Apple サポート (日本)
Logic Pro および MainStage には、クラシックな EQ モジュールをベースとした 3 つの Vintage EQ プラグインがあります。

 
その名の通りビンテージなコンソールの音を再現してくれるEQなのですが、アナライザーの機能はないので、視覚的に音の変化を確認できません。

そこで、Vintage Console EQの音のかかり方を、Channel EQのアナライザーで見てみました。その検証結果を書きたいと思います。

ローカットフィルター

Vintage Console EQは、ロカットフィルターローシェルビングEQピーキングEQハイシェルビングEQの4つで構成されています。

「OUTPUT」に関してはオンにすると倍音が付加されてしまうので、EQの検証時はここはオフに。

Vintage Console EQ

ではまず、ロカットフィルターのかかり方から見ていきます。上の画像のようにロカットフィルターをオンにして、周波数を最大の300Hzに設定。

この状態でTest Oscillatorのホワイトノイズを入力。

test oscillator

これをChannel EQのアナライザーで見てみます。こんな感じです。

Vintage Console EQ

このローカットのスロープがどれくらいなのか、同じ感じになるようChannel EQでローカットしてみます。すると、

Vintage Console EQ

-18dB/Octでした。このことから、Vintage Console EQのローカットも-18dB/Octで、まあまあ鋭くローカットされることが分かりました。

ローシェルビングEQ

同様の方法でローシェルビングEQについても検証してみます。

LOW GAINを+20dB、LOW FREQを220Hzに設定。

Vintage Console EQ

するとこんな感じでかかります。

Vintage Console EQ

これをChannel EQでも再現してみると・・・

Vintage Console EQ

同じ+20dBにして、Q値は0.71(デフォルト値)、周波数は320Hzにしたらほぼ一致しました。

なのでVintage Console EQの周波数は設定値より少し上の周波数からかかってることを意識すると、Channel EQに近い感覚で扱えると思います。

ピーキングEQ

続いてピーキングEQを検証。MID FREQを1kHz、MID GAINを+20dBに設定。

Vintage Console EQ

するとこうなります。

Vintage Console EQ

あれ?中心周波数が1kHzより少し下にズレてない? (^^;)

Channel EQで同じようになるよう設定します。ただし、Vintage Console EQはProportional Qではないので、Q-Coupleはオフにします。すると・・・

Vintage Console EQ

850Hzで一致しました・・・。やはりVintage Console EQは実際の設定値より下の周波数でかかってますね。これエミュレート元のNEVE 1073もこうなのでしょうか?使用する際は周波数の設定値に惑わされないよう、注意が必要かも。

あとQ値については2.00と、デフォルトの0.71より少し鋭いカーブとなってます。

ハイシェルビングEQ

ハイシェルビングEQについては、周波数設が固定で設定できないようになってます。

Vintage Console EQ

HIGH GAINを最大の20dBにしてChannel EQのアナライザーで見てみます。するとこんな感じ。

Vintage Console EQ

これを同じようにChannel EQのハイシェルビングEQで再現すると・・・

Vintage Console EQ

3500Hzでほぼ一致しました。思ったより低い周波数からかかってます。あとQ値は0.60で、Channel EQのデフォルト値0.71より少しだけなだらかなカーブになってるのも分かりました。

バイパス時との音の違い

最後に、Vintage Console EQ自体をバイパスした時と、EQ(IN)をオンにした状態で音を通しただけの状態の音の違いを見てみます。

Vintage Console EQ

まずはVintage Console EQバイパス時。

Vintage Console EQ

完全にフラットです。

次にEQ(IN)をオンにして音を通しただけの状態。

Vintage Console EQ

少しハイが落ちてるのが分かります。これがビンテージっぽい感じを演出してるのでしょうか?

もちろんEQしてる状態でもハイ落ちは発生するので、その事は覚えておくと良いでしょう。

Output Model

EQの検証は以上で、最後にOutput Modelの倍音の付き方を検証します。EQ (IN) をオフにして、DRIVEを少々上げましょう。ちなみに、DRIVE=0では効果はかからないので、デフォルトの4以上まで回します。

Vintage Console EQ

Output Modelはデフォルトの「Smooth」に設定。この状態で1kHzのサイン波を入力し、Channel EQのアナライザーを見てみましょう。

Vintage Console EQ

すると、2kHzと3kHz(第2倍音と第3倍音)が付加されたのが分かります。Output Model「Punchy」は第2倍音の付加のみなので、「Smooth」の方が色付けが少し強いですね。

このままDRIVE値を上げて行くと第2倍音と第3倍音が上がります。

で、DRIVE値が8.6以上になると・・・

Vintage Console EQ

第4倍音以上の大きな歪みが加わることが分かりました。

最後に 

以上が検証結果です。耳だけを頼りにEQすると数値の先入観も影響するのですよね。なので実際に測定して視覚化すると正確に音作りしやすくなると思います。何か参考になれば幸いです。

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Mitchie M のコメント:

 

あとVintage Tube EQについても検証したい

 

【著者:Mitchie M @_MitchieM

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