DAW Logic Pro

マスタリングでのプラグインの挿し方と順番を紹介

自分がマスタリングでやってるプラグインの挿し方と、その順番を紹介したいと思います。

このやり方が正解というわけではなく自己流なので、何か参考になれば幸いです。

プラグインの挿し方と順番

まず、自分はLogic Proを使用してるのですが、マスターアウトプットに挿すプラグインは、上から順にこのような感じです。

  • Logic Pro Linear Phase EQ(イコライザー)
  • iZotope Ozone 7 Imager(ステレオ・イメージャー)
  • Logic Pro Multipressor(マルチバンド・コンプ)
  • iZotope Ozone 7 Vintage Compressor(コンプレッサー)
  • Logic Pro Linear Phase EQ(イコライザー)
  • iZotope Ozone 7 Exciter(エキサイター)
  • NOMAD FACTORY MAGNETIC Ⅱ(サチュレーター)
  • iZotope Ozone 7 Maximizer(マキシマイザー)
  • Nugen Audio ISL(トゥルーピーク・リミッター)
  • Logic Pro Level Meter(レベルメーター)
  • Logic Pro Loudness Meter(ラウドネスメーター)

ちなみに、iZotope Ozoneは現在バージョン8が最新ですが、7のままアップデートしてません(汗)。区切りの良いところでバージョンアップしようとは思ってるのですが・・・(汗)

あと、OzoneはAdvancedバージョンでないと、各エフェクトを個別に挿すことができないと思うので注意してください。

では、以下にそれぞれのプラグインの使い方の解説をして行きます。

各プラグインの設定方法

では順番に、各プラグインの設定方法を紹介して行きます。

Logic Pro Linear Phase EQ(カット用)

Logic Pro Linear Phase EQ

EQは別にLinear Phase EQでなくも良いのですが、Logic Proのは個人的に扱い慣れてて、音が自然なので使ってます。

 

ここはカット専用のEQです。コンプする前に音を整えた方が良いので、最初に挿してます。

-3dB以上動かすようならミックスに戻って調整した方が良いでしょう。

場合によってはEQの代わりにディエッサーを使って抑えることもあります。

iZotope Ozone 7 Imager

マスタリング プラグイン 挿し方

次にステレオ・イメージャーで音像を作ります。狭めるよりは広げる方向で使うがほとんどです。

個人的に、音を広げるエフェクトはコンプの前に挿した方が良いと思ってるので、ここに挿してます。

Logic Pro Multipressor

マスタリング プラグイン 挿し方

次はマルチバンド・コンプで各帯域の音の出方を揃えます。

クロスオーバー周波数は下から200Hz、820Hz、5,000Hzに設定していて、この数値を動かすことはあまりないです。

Peak/RMSは音の違いが分からなければ、とりあえず100msで良いでしょう。

コンプのリダクション量は、各バンドが最大でも-6dBくらいになるようにしてます。バンドのゲインも調整しますが、±3dB以上動かすようならミックスに戻って調整した方が良いでしょう。

Outのゲインは、メーターが時々レッドゾーンになるくらいまで上げます。

Multipressorは独特のコンプのかかり方がするので、扱いには慣れが必要かも知れません。

▼ 参考記事:

Logic Pro「Multipressor」マルチバンドコンプの音の傾向を調べてみた
特定の帯域を抑えたりする目的で使う、Logic Pro付属マルチバンドコンプ「Multipressor」。 そのコンプのかかり方や音の傾向について調べてみたので、記事にしたいと思います。 Multipressorの音の傾向を調べる ま...

iZotope Ozone 7 Vintage Compressor

マスタリング プラグイン 挿し方

ここでは全体にコンプ感を付けます。

前段のMultipressorである程度コンプしてるので、レシオもリダクション量も若干低めに設定。とりあえず最初はリダクション量を-1~2dBになるようスレッショルドを設定して様子を見ます。

Modeはほとんどの場合「Balanced」にしてますが、テンポが極端に速い曲、またはテンポ遅めのR&Bみたいな曲調では「Smooth」にする事もあります。Modeを変えるとリダクション量も変わってくるので注意してください。

Gainの「Auto」はオンにすると音量は上がりますが、自分はオフにする事がほとんどです。

あと、MSモードにしてミドルとサイドを分けてコンプする場合も多いです。

ここでコンプし過ぎると、音の起伏がなくなり平べったくなり、聴感上の音量感なくなります。くれぐれも潰しすぎないようにしてください。

Logic Pro Linear Phase EQ(ブースト用)

マスタリング プラグイン 挿し方

EQのブーストはコンプ後にした方が良い場合が多いので、ここに挿してます。

このEQも大きくブーストすることはないです。+3dB以上動かすようならミックスに戻って調整した方が良いでしょう。

また、もう一つEQを挿してProcessingを「Mid Only」と「Side Only」に分けて、MSでEQすることもあります。

iZotope Ozone 7 Exciter

マスタリング プラグイン 挿し方

ここではEQで物足りなかった分を、エキサイターで調整します。EQだけで十分だった場合は使わない事も多いです。

 
とりあえずここまでエフェクトをかけて、マスター・フェーダーがたまに赤になる(クリップする)ように、コンプレッサーのOutputの音量を調節してください。

NOMAD FACTORY MAGNETIC Ⅱ

マスタリング プラグイン 挿し方

そしてマキシマイザーの前に、MAGNETIC Ⅱでサチュレーターで倍音を加えます。

設定は、赤ランプのスイッチをオンにするだけです。「BOOST」や下のツマミも全部オフにします。もし音が歪みすぎる場合は、「OUTPUT」のツマミを少し下げます。

「これで音変わるの?」と思うかも知れませんが、変わります!

試しにこの設定に1kHzのサイン波を入力したのが以下の画像です。

NOMAD FACTORY MAGNETIC Ⅱ

3kHzに倍音と、低域にも少し音が加わってるのがわかるかと思います。これにより若干音圧が上がった感じになるのですね。

iZotope Ozone 7 Maximizer

マスタリング プラグイン 挿し方

「Threshold」の値は-6~7dBにしてます。入力する音量とマキシマイザーをかけた時の音量感はコンプのゲインの方で決めてるので、この値以外にする事はあまりないです。

音圧高めの曲の場合は「IRC Ⅲ」を使用。曲調によっては「IRC Ⅳ」を使う事もあります。

Characterは1.50~2.00。Thresholdとの兼ね合いも考えて調整します。

CDプレスのマスターなどを書き出す時は、念のためマージンを設けて「Celling」を下げると良いでしょう(自分は-0.1dBに設定してます)。

Nugen Audio ISL

最後に、トゥルーピークを抑えるためのリミッター、Nugen Audio ISLを挿入します。

トゥルーピークは完全には抑えず、音の変わらない程度のリミッティングにしておきます。

パラメーター表示にして、True Peak Maxの値を0.89か0.90くらい設定。

聴感上あまり効果はわかりませんが、トゥルーピークをほんの少し抑えられます。詳細については下記の記事に書いてあるので、参考までに。

Nugen Audio ISLで音圧をなるべく下げずトゥルーピークを抑える方法
トゥルーピーク(インターサンプルピーク)とは、デジタル音声をアナログ変換する際に、デジタルのデータ間を補完するために発生するピークのことです(合ってるかな?汗)。▶︎ インターサンプルピーク:Inter Sample Peakとは | 偏...

Logic Pro Level Meter

level meter logic pro

ここからはメーターを使っての音量の確認です。まずはLogic ProのLevel Meterを使用。

設定は「Level」の項目で「RMS」を選択し再生。自分はダンスミュージックを作ることが多いので、その時はメーターのRMSの値が-7.0前後くらいになるよう、音量を調整してます。

ここはあくまで目安の音量です。最終的な音量感は、次のLoudness Meterを使って仕上げの時に決定します。

Logic Pro Loudness Meter

で、マスタリングの最後はLoudness Meterで楽曲全体の音量を計測して、レベルを決めます。

これは曲調などにもよりますが、個人的には-6.5~-5.7LUFSくらいの範囲に収まっていればOK。

測定方法についてはこちらの記事に詳しく書いてあるので、参考にしてもらえたら。

Logic ProのLoudness Meterで曲のラウドネス値を測定する方法
現在、多くの楽曲配信サービスや動画投稿サイトでは、「ラウドネス・ノーマライゼーション」を採用し、個々の楽曲や動画の音量のバラつきを少なくしています。自分も2ndアルバム「バーチャル・ポップスター」をマスタリングする際は、これに使われるラウ...

 
以上がMitchie M流のマスタリングでのプラグインの挿し方でした。

よくある音圧が上がらない原因

音圧が上がらない原因として、初心者がよく陥りやすいのが以下の2つです。

  1. 音がセンターに集まり過ぎてる
  2. 低音が大きすぎる

1.については、音を左右に広げる事で音量感を出す事ができます。ミックスに戻ってパンを左右に大きく振ったり、音を広げてバランスを取ると良いでしょう。また、マスタリングのステレオ・イメージャーで左右に広げたり、M/Sでサイドの音量を上げれば、音圧をかせぐ事ができます。

 
2.については、一番耳につきやすい中域の音量不足です。中域の音量を上げるか(場合によっては高域も)、低域を抑えて全体の音量を上げると音量感を出す事ができます。

例えばMultipressorで中域以上のバンドのゲインを上げるか、下の画像のようにマスターのEQで中尉機以上をシェルビングで上げるとかで対処できます。

channel eq

関連商品

ここに掲載した方法でマスタリングした楽曲は、私の2ndアルバム『VIRTUAL POPSTAR』に収録されてます(マスタリングエンジニアさんの手は加わってません)。

コメント

  1. hartfield より:

    プロの技を垣間見れるって、ものすごく貴重です。

    Mitchie MさんはCDとYouTubeの両方で音源を公開していますが、その場合のRMSって違うものを2つ作っているんですか?

    • Mitchie M より:

      読んでくれてありがとうございます!
      CDはメジャー盤だとエンジニアさんがマスタリングしてるので音圧が違います。
      同人盤だと同じRMSの音源を使ってます。

      • hartfield より:

        Mitchie Mさんのブログはいつもわかりやすくて、とても参考になります。
        自分の場合MSの調節がうまくいかず、時間ばかり経ってしまいます。
        ステレオイメージャー、使ってみます。
        ありがとうございました。

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