dbxから発売されているコスパ良好のマイクプリアンプ、286s。
これの修理を頼まれたので、中を開けてみました。どんな感じになってるのか、記録として書き残しておこうと思います。
あと、dbx 286sは宅録初心者にもオススメのプリアンプなので、その紹介も兼ねて書いていきます。
dbx 286sの紹介
dbx 286sはマイクプリアンプではあるのですが、チャンネルストリップとしてコンプ、ディエッサー、エンハンサー、エキスパンダーも内蔵。ボーカルを録音するための機能は一通り揃ってます。これで価格が15,800円(サウンドハウスにて税抜き価格)と、非常にコストパフォーマンスの高い機材です!
多機能なだけにツマミなども多いですが、実際のところマイクプリとコンプ以外は使わなくて大丈夫なので、初心者でも操作は難しくありません
以下で286sのそれぞれの機能や、実用的な歌録音のセッティングについて紹介します。
MIC PREAMP
マイクプリ部分はGAIN、48V PHANTOM POWER、80Hz HIGH-PASSを装備。
GAINはLEVELメーターのCLIPが点灯しないくらいに設定。
80Hz HIGH-PASSはフロアノイズなど不要な低音をカットします。宅録ならオンにしておいた方が良いでしょう。
COMPRESSOR
普通コンプはセッティングが難しいですが、286sは必要最小限にまとめられているので、初心者でも簡単に扱えます。
まずDRIVE。これは普通のコンプでいうスレッショルドだと思ってください。GAIN REDUCTIONが最大でも6dBが点灯するくらいまで回します。
DENSITYは、いわゆるリリースタイムです。右に回すほどリリースタイムが速くなります。個人的にはこれは最速の10にして良いと思います。
コンプには定評のあるdbxなので、シンプルながら実用的なものになってますね。
DE-ESSER と ENHANCER
ディエッサーは主に歯擦音を抑えてくれる機能です。正直これはは録音後でも処理できるので、ここはTHRESHOLDをOFFにしておいて問題ないでしょう。
そしてエンハンサーは低域と高域の2つに分かれています。特に高域は良い感じにかかって抜けの良い音になります。けどこれもミックスで処理できるので、両方ともOFFで良いでしょう。
EXPANDER / GATE とOUTPUT
EXPANDER / GATEは主に無音部分のノイズを抑えられる便利な機能です。
けど、これにより録音した声にも影響が出る可能性があるので、基本的にはTHRESHOLDをOFFにしておくと良いでしょう。
最後にOUTPUTは、CLIPが点灯しないように録音レベルを設定すればOKです。
この価格でこれだけの機能が揃ってるのは本当素晴らしいですね。オーディオインターフェイスにマイクを直接刺すより良い音が得られるので、個人的にオススメです!
dbx 286sを開けてみた
ではここからは、286sの中を開けてみます。こんな感じでした。
重量はまあまああるけど、思ったよりスカスカしてますね (^^;)
上蓋を外すには、両サイドのねじ4本と、フロントの六角穴付きボルトを外します。ただ、六角穴が2.0mmと2.5mmの間くらいという、あまりない中途半端なサイズなので注意。あとフロント中央下のボルトは基盤固定用なので、外さなくても上蓋は外せます。
とりあえず、改造できそうなところチェック。面実装が多いのであまりパーツ交換はできなそう・・・。
けど電解コンデンサ3つはオーディオ用のものに交換できそうです。
35 V 470μFのカップリングコンデンサと、
100V 220μFです。1Uラックサイズであまり高さはないので、交換する際はサイズに注意。
あと、オペアンプはJRC 4580を使用。
面実装なので交換には半田付けの技術力が入りますね・・・。
こうして見てみると、旧バージョンの286aの方がパーツ交換はやりやすそうな印象でした。以前それを開けてみた記事を書いてるので参考までに。
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▶︎ サウンドハウス: dbx ( ディービーエックス ) / 286s マイクプリアンプ
Mitchie M のコメント:
ちなみに自分はマイクプリは、FMR AudioのRNP8380を愛用してます
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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