歌をミックスの際、不要な帯域や声の低域の余分な膨らみをカットするため、ローカット・フィルターを入れる事がほとんどだと思います。
例えばこんな感じ。
で、さらにEQを施しミックスをして、声の聴こえにくい部分はボリュームのオートメションを書いて対処するのが通例。
ここで、入れたローカット・フィルターの周波数は一切動かさずに、ボリュームのみで声を聴こえるように調整する人もいるかと思います。しかし!ローカットの周波数を動かすことによって、声を聴こえやすくすることができるのですね。
というのも、声は音域や言葉によって低音の膨らみ方が違い、ローカットの周波数を固定したままだと、言葉を認識しやすくなる低い帯域もカットしてしまう場合があるからなのです。
そこで、ローカットの周波数を動かして、オートメーションを書いたのが下の画像です。
上段がボリューム、下段がローカットで、ローカットのオートメーションはボリュームほど細かくは書きません。
特に低い音域での声は必要以上にローカットされてしまうため、オートメーションで周波数を下げる事が多いです。
また、高い音域で声が細くなりすぎて前に出てこない場合も、ローカットがかからないようように周波数を下げると良いでしょう。これをやらないと無駄にボリュームだけ上げて対処する事になり、ミックスの観点からはあまり良くありません。
個人的にはボカロ(初音ミク)だと、母音の「あ」は声の太さが足りなくて、ボリュームを書いても前に出てこない事が時々あるので、その場合はローカットを下げて対処してますね。
逆に、声の低域のふくらみがまだ残ってる場合は、ローカットの周波数を上げて、スッキリした声にします。
これらをやることによって、言葉が聴こえやすくなり、声の太さが均一な聴こえやすいボーカルになるのですね。
裏を返せば、オケでこの声の太さと被さってしまう帯域(だいたい200Hzから500Hzくらい)が出すぎてると、ボーカルが埋もれやすいです。
どれだけローカットすれば良いかは声質の好みや曲調やEQによるので何とも言えないですが、だいたい150HZから450Hzの範囲で動かす事が多いかな・・・。
まず基準のローカット周波数を決めて、気になる部分だけオートメーションを書くと良いでしょう。
「だったら、Surf EQみたいなピッチ追従のEQでローカットすればオートメーション書かなくてもいいんじゃない?」って思うかも知れませんが、以前これをやってもあまり良い結果が得られませんでした・・・。
多少面倒かも知れませんが、普通のEQでローカットのオートメーションを書いた方が良い感じに仕上がります!
歌が聴こえにくかったり、低域の膨らみにバラつきがある場合はぜひ試してみてください。
Mitchie M のコメント:
自動でボリュームを書いてくれるプラグインもあるけど、結局手動が一番上手く仕上がるな
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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