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Logic ProのVintage Graphic EQの音のかかり方を検証してみた

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1967年発売に発売されたAPI 560モジュールをエミュレートしたと思われる、Logic Pro内蔵10バンドグラフィック・イコライザー「Vintage Graphic EQ」。

Mac 用 Logic Pro および MainStage の Vintage EQ について - Apple サポート (日本)
Logic Pro および MainStage には、クラシックな EQ モジュールをベースとした 3 つの Vintage EQ プラグインがあります。

 
このEQのかかり方がどんな感じなのか?個人的に気になったので検証してみました。その結果を記事にしたいと思います。

EQのかかり方の傾向

まずはEQのかかり方を検証。Output Modelはオフにして、倍音が付かないようにします。

入力する音は、Test Oscillatorのホワイトノイズ。

この音にVintage Graphic EQをかけます。1kHzを最大の12dBまで上げて、スペアナで観察。

するとこうなりました。

これがLogic ProのChannel EQにおいて、どれくらいのQ値でのかかり方に相当するのか調べます。

Vintage Graphic EQと同じく、Channel EQでも12dBをブースト。同じカーブになるようにQを設定したら、結果はこのようになりました。

Q値が0.31で持ち上げたのと同じ感じになりました。

ここで注意したいのは、Vintage Graphic EQは「Proportional Q」であるという点です。Proportional Qだと、周波数をブースト/カットするほど、フィルタが狭くなります。なので、Channel EQも「Q-Couple」をオンにして、拡張パラメータのGain-Q Couple Modeを「Proportional」に設定してます。

Vintage Graphic EQとChannel EQのQ幅やカーブが同じとは限りませんが、だいたいQ値が0.31の感じと覚えておけば、Vintage Graphic EQを直感的に使いこなせるかと。

ただ、これが他のバンドについても同じかかり方をするか?と言うとほんの少しだけ違うようです。

例えば一番高い方のバンドで同じように検証してみます。

ここでは分かりやすいように、Tuneを-12にして8.0kHzを+12dBで見てみます。結果はこんな感じ。

高域側のカーブに注目。で、Channel EQでも同じような感じになるよう設定。すると・・・

Qは0.35か0.37くらいで、少し狭くなりました。で、高域側のカーブがVintage Graphic EQより少し落ちてます。なので、Vintage Graphic EQの方は少しハイ上がりにかかると言えます。

これはロー側についても似たような傾向でした。今度はTuneを+12にして、62Hzを+12dBで見てみます。

するとこんな感じ。

今度はロー側のカーブに注目。で、Channel EQで同じになるようEQをかけてみると・・・

Qは0.37で同じような感じになりますが、ロー側のカーブが落ちてます。

他のバンドも検証してみた結果、「バンドの端に行くほどQが狭くなり、高/低側の帯域が少し持ち上がってEQがかかる」という結論です。

まあ今回最大の12dB上げて少しの差が出てる感じなので、普通に使う分にはほとんど気にならないのではないかと。

Vintage Graphic EQのかかり方については、Q値が0.31から0.37 (proportional) の感じでEQがかかる事を覚えておけば十分かと思いました。

ちなみに、EQ(IN)をオンにした状態と、Vintage Graphic EQ自体をバイパスした時の音の変化は確認できませんでした。

OUTPUT MODELの音の傾向

では次に、Vintage Graphic EQのOutput Modelの音の傾向を検証します。

Vintage Graphic EQではOutput Modelは「Punchy」がデフォルトです。

で、この状態で何もEQせず、Test Oscillatorの1kHzのサイン波を入力。

これをアナライザーで見るとこうなりました。

2kHzの倍音が付加されてるのが分かります。

このように、Vintage Graphic EQのOutput Model「Punchy」では、第2倍音が付加されます。

今のはDRIVEの値が0でしたが、今度はそれを上げて行きます。

DRIVEを上げると第2倍音が増えて行きますが、DRIVEの値が9.4以上になったところで変化が、

第3倍音以上の歪みが加わりました!このようにDRIVE値が9.4以上で大きな歪みが加わる事を覚えておくと良いかも。

ちなみに、EQについては音の色付けはなく、Output Modelで倍音を加えビンテージ感を出してます。なのでEQせずOutput Modelだけを通すという使い方も良さそうです。

最後に

 という、Vintage Graphic EQのかかり方の検証結果でしたが、正直EQ部分の音に関してはカーブ以外はChannel EQとほとんど変わらない気がしました (^^;)

何か参考になれば幸いです。

 
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Mitchie M のコメント:

 

他のVintage EQも検証してみようかな・・・

 

【著者:Mitchie M @_MitchieM

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