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Logic Pro純正コンプレッサーの倍音の付き方を知って、音作りに活用しよう

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Logic Proの純正コンプレッサー(Compressor)に限らずですが、コンプは音を抑えるだけでなく、コンプした 際に倍音が加わることで音が太くなります。基本的にはアタック、リリースが速めだと倍音の付き方も大きいです。

そこで今回、Logic Pro付属コンプレッサーの倍音の付き方を、エミュレートされたサーキット回路別(7種類)で検証し、その結果を紹介したいと思います。

 と、その前にテストトーンの設定です。

「Test Oscillator」で、1kHzのサイン波を-2dBで出力します。これをスペアナで見るとこうなります。

1kHz以外に音は何もありません。

これを踏まえて、この音をコンプした時にどういう倍音が付くのかを、スペアナで見てみます。

Platinum Digital

まずは「Platinum Digital」でやってみます。

設定は以後、他のサーキット回路でも、レシオ最大アタック0.5msリリース 5msで、約10dBリダクションした場合を見ていきます。リダクションした分はMake Upでブーストします。

では見てみましょう。こんな感じです。

あれ、倍音が付いてませんね・・・。実は「Platinum Digital」はほぼ倍音が付きません。

けど、かなり小さい音量では付いてるのがわかります。-100dBまで見えるようにすると・・・

3kHzあたりにありますね。けど聴感上ほとんどわからないレベルです。

なので、「Platinum Digital」は倍音が付かないと思ってもらっていいでしょう。

Studio VCA

同様の設定で「Studio VCA」を見てみます。

今度は倍音が付きました!

比較的大人しめな倍音の付き方なので、これなら原音が崩れず音が前に出るでしょう。

念のため下の方も見てみます。聴感上あまりわからないと思いますが、こんな感じです。

Studio FET

次は「Studio FET」です。

こんな感じになりました。

「Studio VCA」とほぼ同じですね。

下の方を見てみると、こちらも「Studio VCA」それほど変わりません。

なので、「Studio」系はほぼ同じ倍音の付き方だと言えます。

Classic VCA

次は「Classic VCA」です。こちらは他のと違って、アタックとリリースが設定できません。

で、倍音はというと、

ないですね・・・。小さい音量が見えるようにスケールを変えると・・・

3kHzにありました!けど-75dBなので、聴感上あまりわからないかと・・・。

なので「Classic VCA」は倍音が付かないと考えてもらっても良いかと思います。

Vintage VCA

続いて「Vintage VCA」です。

倍音の付き方はこうなりました。

他と比べるとかなり派手に付いてます。

音量の小さい方では・・・

100Hzとか低い方まで付加されてますね!

あと「Vintage」系のサーキット回路は注意点があって、アタックを0msに設定すると、ノイズっぽい音が乗ります。こちら。

これはドラムのアタックの勢いを出すには良いかもしれませんが、あまり原音を汚したくない場合には注意が必要ですね。

Vintage FET

次は「Vintage FET」です。

結果はこうなりました。

「Vintage VCA」とほぼ似てますね。

「Vintage」系は倍音の付き方がだいたい同じと思ってもらっていいでしょう。

ただ、ゼロアタックの場合は少しだけ音が違います。

「Vintage FET」の方が、ノイジーさは若干弱い印象です。

Vintage Opt

「Vintage Opt」は他のサーキット回路とはかなり音の傾向が違います。設定によって音が変わってくるので、「Vintage Opt」だけアタックは2msでテストしました。

こんな感じです。

多少バリバリした感じがあるのですが、これが結構リアルなビンテージ・コンプの音聴こえるのですよね!

「Vintage Opt」は音量の細かいコントロールには向いてないですが、音が複雑に変化するので、音作りにはかなり活用できると思います。コンプのかかり方も他と違い、独特で気持ちの良い音です。

まとめ

以上7種類を見てみたわけですが、分類してみると以下のような感じになります。

  • 倍音がほぼ付かない系: Platinum Digital、Classic VCA
  • Stuido系(ナチュラルな倍音): Stuido VCA、Studio FET
  • Vintage系(派手な倍音): Vintage VCA、Vintage FET
  • Opt系(独特な倍音): Vintage Opt

これを踏まえれば、その楽器にどのコンプが適してるのか、サーキット回路タイプを選ぶ際の参考になると思います。

 
Mitchie M の最後に一言:

 

今度はサーキット回路別で、コンプのかかり方の違いの比較記事を書いてみようかな・・・

 

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【著者:Mitchie M @_MitchieM

コメント

  1. あゆみ より:

    お疲れ様です
    スペアナだとわかりやすいですね
    Vintage Optはどんな感じか聞いてみたくなります
    自分はあれこれいじり過ぎて沼にはまってしまいますw
    とてもプロにはなれません