アナログ盤カッティングに立ち会ったので注意点や音質の変化をレポート

先週、1stアルバム『グレイテスト・アイドル』と、2ndアルバム『バーチャル・ポップスター』のアナログ盤カッティングするため、株式会社東洋化成さんを訪れました。

日本のアナログレコードプレスメーカーです。各種レコードの製造および印刷を行っております。Toyokasei is the only one manufacturer in Japan who can provide services of pressing vinyl records.

 
そこでカッティングの作業に立ち会わせてもらったら、アナログ盤を作るために勉強になる事がたくさんありました。その注意点や音質の変化について記事に書きの残しておこうと思います。

なお、以下に書いてある作業手順や方法は東洋化成さんの場合なので、別の会社さんだと違うこともあるのでご了承ください。

アナログ盤カッティングに使う音源データについて

まずは持ち込む音源について。音源は立ち会う何日か前にエンジニアさんにお渡ししておきました。

というのも、カッティングをする前に音源の調整が必要なのですね。なので、立会い当日はその調整済みの音源を使用して作業します。

なお、持ち込む音源はwav形式で大丈夫ですが、サンプリング周波数とビットレートは統一してくださいとのことでした。

あと今回は、CD用に使うマスターをそのままアナログ盤のカッティングに使ってもらったのですが、それは特に問題ないそうです。とはいえ音はもちろん変わりますので、それは後述します。

また、33回転のレコードの場合、片面は15分前後が目安です。それ以上になると、盤面全体の音質や音量の低下につながるので注意。

さらに盤面の内側に近づくにつれて、音がハイ落ちする傾向にあるので、曲順にも気を使う必要があります。

曲間についてはwavに含めても大丈夫ですし、カッティングの前にエンジニアさんに付けてもらう形でも大丈夫です。

カッティング作業と音の変化

カッティング作業は音源を流し、それをカッティング・マシンでラッカー盤に記録して行きます。

NewImage

このラッカー盤はテスト試聴用なので、本番はまた別でカッティングします。

ちなみに、上の写真のカッティング・マシンはNEUMANの70年代のものです。カッティングするヘッド部分は壊れると替えがないないそうで、何より大事だとか。

片面の記録が終わったところでエンジニアさんが顕微鏡で溝をチェック。我々にも見せてくれました。

そして、溝に問題なければ、カッティングされた音を一通り聴かせてもらいます。

で、アナログにした時の音の変化ですが、やはりデジタルで鳴らすのとではかなり違います。具体的にその傾向をあげると

  • 高域が丸くなる
  • 左右の分離感が少なくなる
  • よって音の焦点が中域のセンターに集まる

といった感じでしょうか。

高域については、打ち込み音楽でよく聴かれる16kHz以上がエンハンスされた感じとか、そういう超高域はカットするそうです。でないとそれがノイズになってしまうとのこと。

また、アナログ盤はデジタルと違ってクロストークが発生するので、左右の分離感が弱くなります。

このような傾向があるため、音の焦点が中域のセンターに集まり、全体のサウンドに勢いが出たような印象でした。極端な例でいうと、昔の曲でステレオ・バージョンよりモノラル・バージョンの方が音にパワーを感じやすいのと近いかも知れません。

そんなわけで個人的には、できればカッティングする音源は、アナログ盤用に作っておくのがベストかと思いましたね。具体的には、

  • 必要以上に高域を加えない
  • ボーカルの歯擦音はしっかり抑えておく
  • マキシマイザーは通常より0.3 ~ 0.5dB下げてみる?

という感じにすると良いような気がします。

特にボーカルの歯擦音はしっかり抑えておかないと、カッティング後にノイズとして目立ってしまうので注意です。ボーカルがセンターでもノイズが左右に生じることもあります。

レコード用のマスタリングについては、こちらを参考にすると良いかと。

音質にも影響しますので、基本を知っておきましょう!プレス後に後悔しないように事前にチェック。

とはいえ、マスタリングで対処できる事は限られてるので、できるだけミックスで処理するのが望ましいです。

この辺はアナログ盤にしたときの音の変化を体験するのが一番だと思いますが、なかなかそんな機会はないので難しいですよね・・・(^^;)

出来上がったラッカー盤を自宅でチェック

このようにして、全ての面にカッティングが終わると作業終了です。作ったラッカー盤は家に持ち帰って、自分の再生環境でチェックします。

ラッカー盤

ちなみに、ラッカー盤は摩耗が早いので、綺麗に聴けるのは10回くらいだそうです。個人的には返却前に、プレイヤーで再生して録音しておくことをお勧めします。

そして自分の再生装置で再生したら、最初ノイズが多くて焦りましたね・・・(汗) けどちゃんアーム高とか針圧を正しくセッティングしたら綺麗に鳴りました!改めてレコード・プレーヤーの設定ってすごくシビアなんだと実感。針も定期的に交換しないといけないし、CDに比べるとやっぱ大変ですね。

けどアナログ盤でしか聴けない、独特な温かみのある音が鳴って感動!レコード・プレーヤーは今まで他人の曲しか聴けなかったわけですが、それが今、自分の楽曲が鳴ってるわけですから感慨深かったです!

そんなわけで、11月6日(水)に発売となる、1stアルバム『グレイテスト・アイドル』と、2ndアルバム『バーチャル・ポップスター』アナログ盤を楽しみにしてもらえたら嬉しいです!^^

商品リンク

Mitchie M のコメント:

 

アナログ盤を初めて作る人の参考になれば幸いです!

 

【著者:Mitchie M @_MitchieM

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コメント

  1. ただの通りすがり より:

    45回転のレコードならもっと高域が出せると思うのです。
    デジタルデーターの wave はCD並みのサンプリング周波数でしょうか。
    CDよりももっとサンプリング周波数を上げた波形データーにしたら
    どうなりますか。また16ビットサンプリングではなくて24ビットなどでは?

    • Mitchie M Mitchie M より:

      45回転なら高音質になりますね!
      聴こえるかギリギリかそれ以上の高音域だとノイズになってしまう場合があるそうで、カッティングはなかなか難しいですね。(^^;)

  2. まみりん より:

    Mitchieさんこんばんは(≧∇≦)

    社会人になり初ボーナスで自分専用のオーディオコンポを買った時(CDが世に出る前の時代w)は何も考えずSONYっていう理由だけで選び、そして今も変わらずSONY信者のまみりんです。

    そのSONYさんのカッティングマシーンをスタジオに導入したレポートも読んだのですが、レコードの溝の間隔が均等ではないってことを今更知った次第です。針飛びを回避するのに大きな音を先読みしながら刻む技術なんてアナログらしくなくて凄いですよね。

    そんな現場で見学とかめっちゃ羨ましいです。

    とりまバーチャル・ポップスターはCD盤もアナログ盤も予約したし、アナログ盤のグレイテスト・アイドルも予約しました!

    そして新しい令和という時代になってもレコードに針を落とすことになるんだよとあの頃の私に教えてあげたいですw

    • Mitchie M Mitchie M より:

      自分も結構SONY信者ですね。未だに昔買ったCDプレーヤー使ってます(笑)
      カッティングマシーンの記事は自分も読みましたがすごく参考になりましたね。
      デジタルに慣れてしまうとアナログは本当新鮮に感じます。
      そして、CDとアナログ盤のご予約ありがとうございます!発売されたらぜひ聴き比べをしてみてください。^^