前回、Logic Proのディレイに関する記事を書きました。今回はその流れで、Logic Proでダブのディレイエフェクト音を作る方法を書いて行きます。
Logic ProにはTape Delayというダブ向きのエフェクターも内蔵しているのですが、少し手間を加えると音作りの幅がグンと広がるので、そのやり方を紹介。
ダブのディレイエフェクトのためのセッティング
まずは、エフェクトのセッティングから解説。例として、ギターのオーディオ・トラックからセンドでディレイに送り、ダブっぽいディレイ・エフェクトをかけてみます。
トラックのセッティングは下の画像のような感じです。
オーディオ・トラックからBusでAuxに送ってTape Delayをかけます。ディレイは別にTape Delayでなくても大丈夫ですが、この方がテープエコーっぽい効果が出て良いかも。
そして更にAuxにセンドを設定し、もう一度同じBusに戻す事でフィードバックさせます。これをやることで音作りの自由度が上がります!
このとき、Auxのセンドは「ポストフェーダー」にしてください。これをしないと、フェーダーを上げ下げした時にフィードバック量が変わってしまうので注意。
このようにしてセンドを使ってフィードバックさせるので、Tape DelayのFEEDBACKは 0% に設定。
あとディレイタイムやカットオフ周波数などはお好みで。OUTPUTのDryを 0%にするのをお忘れなく。
エフェクトをかけてみる
ではサンプルとして、ギターのコード弾き一発にこのディレイをかけてみます。
こんな音です。
Tape DelayのFEEDBACKは”0”ですが、センドを使ったフィードバックが効いてるのが分かりますね。でもまぁ音は普通のディレイ・エフェクトですよ (^^;)
そこで、今度は下の画像のようにAuxにEQをインサートしてみます。
EQは2kHzを持ち上げました。
これで鳴らしてみるとこんな感じです。
このように、フィードバックするたびに2kHzだけが増幅されるディレイ音になりました。こういうエフェクトはTape Delay単体では作れないのですね。
で、今度はEQの代わりにピッチシフターをインサートします。ダブではディレイとピッチシフターの組み合わせは良く使われます。
ピッチシフターはSemi Tonesを+1に設定。Mixは100%で。
これを鳴らしてみると・・・
フィードバックするたびに半音ずつ上がっていくエフェクトになるのですね。
もちろんオートメーションでパラメータをいじっても面白いです。下の画像は、ディレイ音の途中でピッチシフターの音を半音下げてます。
鳴らしてみたのがこちら。
このように、ディレイ音の途中からピッチが半音ずつ下がっていくエフェクトが作れます。
こういうピッチの変化するディレイは、ダブだとギターよりはドラムの方がよく使われますかね。ということでスネア・ドラムの音にかけてみます。
下の画像のように、スネアのトラックのセンドをだんだん大きくするオートメーションを加えて鳴らしてみました。
シンプルな音ではありますが、ダブっぽい感じが出たのではないでしょうか。
ディレイタイムとフィードバック、ピッチシフターのシフト量を変える事で様々なサウンドが出せますので、色々試してみてください。ディレイの後にインサートするエフェクトを変えてみるのも面白いですよ。
ちなみに、このエフェクトを多用した曲として自分の曲の『REBEL DIVA feat. 初音ミク』を貼っておきます。
2コーラス目以降(1:30~)からディレイを大胆にかけたエフェクトが聴けるかと思います。
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Mitchie M のコメント:
リアルタイムでパラメータをいじるのも面白いですよ
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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