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Logic Pro

Logic Pro内蔵Tape DelayとStereo Delayの音質の違いを検証

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Logic proには、一般的なDelayエフェクターとして、旧式のテープエコー・マシンのサウンドをシミュレートしたTape Delayと、左右のチャンネルのディレイ、フィードバックを別々に設定できるStereo Delayが内蔵されてます。

この2つのディレイは多少機能が違うものの、実は音も結構違うのですね。そこで、この2つのディレイの音の違いについて検証してみたいと思います。

Tape DelayとStereo Delayの音質の違い

まずはStereo Delayの音質について見て行きましょう。

設定は下の画像のように左右同じディレイタイムにして、フィードバックも0%にします。ハイカット、ローカットはしません。

stereo delay

OUTPUT MIXも100%。これにホワイトノイズを入力してスペアナで周波数分布をチェックします。するとこうなりました。

stereo delay 周波数特性

すごく・・・フラットです!なので何の色付けもないディレイ音と言えるでしょう。

また、1kHzのサイン波を入力して見てみるとこんな感じです。

stereo delay 音

倍音の付加もなく、ここからも色付けのない音と言えます。

Tape Delayは温かみのあるサウンド

同じような方法で、Tape Delayについても見てみましょう。

設定はStereo Delayの時と同じようにした感じです。

tape delay

では、これにホワイトノイズを入力してスペアナで見てみます。すると・・・

tape delay 周波数特性

高域がカットされてますね!4kHzあたりからハイ落ちが始まってる感じでしょうか。

で、ハイエンドはバッサリとカットされてます。これはビンテージなテープエコーマシンのサウンドをシミュレートした結果かと。

そして低域も少し落ちていますが、ディレイ音はあまり低音は出さないので、ここはそれほど影響ないかな・・・。

次に1kHzのサイン波を入力して見てみましょう。

tape delay 音

3kHzの倍音が付加されてます。これによりテープ・サチュレーション的な少し厚みのある音にしてるのでしょうね。

こんな感じで、Tape Delayのディレイ音はテープエコー・マシンをシミュレートした温かみのあるサウンドになってます。

 
ちなみに、Tape Delayには「CHARACTER」というパラメーターがあります。

tape delay character

このClip Thresholdを設定し、そのレベルを越える音が入力されると倍音(歪み)が加わるのですね。サイン波をスペアナで見るとこんな感じです。

tape delay clip threshold

これはフィードバックの影響も受け歪みが大きくなるので、ダブっぽい音作りなどで上手く活用したいところです。

ハイカットとローカットもかかり方が違う

Tape DelayとStereo Delayにはハイカットとローカットが備わっているのですが、これのかかり方も少し違います。

まずはStereo Delayのローカットを見てみます。

stereo delay low cut

上の画像のように、ローカットを490Hzに設定。これでホワイトノイズの周波数分布を観察。

stereo delay low cut

すると上の画像のような感じで、かなり緩やかなスロープでローカットがかかっているのが分かります。

490Hzに設定しても1kHzから落ちてる感じですかね。

一方、Tape Delayでもローカットを490Hzにして見てみましょう。

tape delay low cut

tape delay lo cut

結果、上の画像のような感じで、Stereo Delayより少しスロープが急な感じがします。あと1.7kHzあたりのかなり上の方から落ちてますね。

 
また、ハイカットについても同じように見て行きましょう。

今度はStereo Delayに2kHzのハイカットを入れます。

stereo delay high cut

すると下の画像のようになりました。

stereo delay high cut

かなりゆるやかなスロープで、400Hzあたりから落ち始めてますかね。

 
一方、Tape Delayにも同じように2kHzのハイカットを入れます。

tape delay low cut

結果はこうなりました。

tape delay high cut

少しカーブのあるスロープですね。Tape Delayには先述したように元々ハイが落ちる傾向にあるので、それがどう影響してるか分かりませんが、だいたい1kHzあたりから落ち始めてます。

 
このようにTape DelayとStereo Delayではハイカットとローカットのかかり方が若干違います。Tape Delayの方が少し鋭くかかる印象なので、その事を頭に入れて音作りをすると、狙ったサウンドが作りやすいでしょう。

まとめ

ここまで見てきた結論としては、Tape Delayはテープエコーマシンの暖かいサウンドで、Stereo Delayはフラットなサウンドと言えます。

では、それをどう使い分けるというかと言うと、自分としてはTape Delayはボーカル・ディレイのような目立たないディレイ音で原音に厚みを付ける時に使い、Stereo Delayはシンセにかけるディレイのような煌びやかな音が欲しい時に使ってます。

特に音圧の高い音数の多いオケではStereo Delayの方が高域が出るので埋もれにくい印象です。

それぞれのサウンドの傾向を知れば、うまく使い分けられるのではないでしょうか。

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Mitchie M のコメント:

 

Logic Proには他にもPedalboardにテープエコー系ディレイがあるんだよね

 

【著者:Mitchie M @_MitchieM

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