通常のリバーブは、原音に対して後ろに残響が付きます。それに対しリバース・エコー(リバース・リバーブ)というのはこれとは逆に、原音の前から残響がやってくるエフェクトの事です。
例を挙げると、Madonnaの「Get Together」の動画の2:28~2:51くらいからがリバース・エコーの音を使ってますね。
わかりますでしょうか?ちょっと不思議な感じがするリバーブ音なのですが、その作り方を解説して行きたいと思います。
リバース・エコーの作り方
まずはエフェクトをかける原音を用意します。初音ミクの声で「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」とベタ打ちで歌わせました。
その音声はこちら。
これを波形で見ると、下の画像のような感じです。
リバーブ音がわかりやすいように、わざと音を短く切ってます。
そしてこのオーディオを逆再生させます。すると波形は下の画像のようになりました。
これで原音の編集は完了。続いてこの逆再生した原音にリバーブをかけます。
かける比率は原音0%の完全なウェットの状態です。その音声がこちら。
ちなみに、自分はリバーブはLogic Pro付属のSpace Designerを使ってます。
上の画像はロング・プレートリバーブのプリセットですが、リバース・エコーの音を作るときは、ほとんどこれを使ってますね。
あとリバーブ音が目立つように、コンプやEQも同時に挿してます。
で、その音をオーディオに書き出して波形で見るとこうなってます。
で、リバース・エコーの音を得るためには、さらにこの音を逆再生します。
音声はこちら。
これでリバース・エコーが完成しました。
そして、最後に原音とリバース・エコーをミックスします。
まずリバース・エコーの音の位置を原音に合わせるのですが、ここは耳で聴いた感じと、両方の波形のピークを見比べながら調整すると良いかと思います。
そして、リバース・エコーにはハイパスフィルターをかけると音がすっきりします。
これでミックス完了!では聴いてみましょう。
おお、残響が前からやってくるリバーブができました!
ちなみに、リバース・エコーを原音のフレーズ全部にかけずに、頭だけ加える手もあります。例えばこんな感じで。
こうすることで、フレーズが始まる予告になります。これをそのままやってるのが『FREELY TOMORROW』のイントロです。(^^;)
最後に
ということで、こんな感じでリバース・エコーの音を作ることができます。多少作業が面倒ではあるのですが、もしかしたら自動的に作ってくれるプラグインがありそうな気もしますね。どうなんでしょう・・・?(汗)
あとリバース・エコーは曲中での使い場所が難しいです。というのも残響が前から来るためリズム感が崩れやすかったり、コードと合わない可能性もあります。
なのでその辺に注意しながらうまく使ってみてください。
Mitchie M のコメント:
ボーカルでなくギターにも合いますよ
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【著者:Mitchie M @_MitchieM】
コメント
DTMならではの技術ですね!
オーケストラとかじゃ無理ですもんねぇ。
SFちっくな感じがとてもいいです^^
そうなのです!こういう音が出せるのがDTMの魅力です。^^
FREELY TOMORROWのイントロにもこんなすごいテクニックが!
DTMにはまだ慣れてないのでもっと小技を身に付けていきたいです!
参考になったようで良かったです!^^