ボーカルにもう一本同じボーカルを重ね録りすると、音に厚みが出ます。この手法をダブルトラックといいます。
けど最近は重ね録りをせず、このダブルトラックの効果をエフェクターで得ることができます。
そこで、エフェクターでダブルトラックを作る場合のポイントを書いてみたいと思います。
オリジナルとダブルの両方がセンターの場合
オリジナルのボーカルトラックとダブルトラックの両方を、パンがセンターの状態で鳴らすときは、オリジナルの音をAUXで送ります。そしてその送った音にダブルのエフェクターをかけ、オリジナルの音に混ぜます。
ここではダブルのエフェクターはAntaresのDUO EVOを使ってます。設定は下の画像のような感じで、主にピッチとタイミングのズレを作ってダブルトラックを作り出してます。
そしてオリジナルトラックのセンドの量は、オリジナルとダブルの音量比を1:1とせず、ダブルを少し小さめ(例えば-6dBとか)にした方が良いです。
あとダブルにすると中低域が目立ってくるので、ダブルの音はローカットフィルターを入れておくと上手く馴染むでしょう。
オリジナルとダブルトラックを左右に振る場合
オリジナルとダブルのパンを左右に振る場合はAUXは使わず、ボーカルのオーディオトラックをコピーして、それにダブルのエフェクターをかけるのがベストです。
というのも、ダブルのエフェクターはタイミングをランダムでずらしてくれるのですが、基本的にはオリジナルより遅れて鳴るので、どうしてもオリジナル側の音が先に聴こえて少々目立ってしまうのですね。
なのでその解決策として、ダブルトラックのオーディオリージョンをほんの少しだけ前に出します。
ずらす量はBPMやエフェクター設定にもよりますが、だいたい20~40ティックくらいが目安です。そこは耳で聴いて左右がバランス良く鳴るように調整してください。
なお、コーラスなど曲中で目立たない声の場合はAUXを使っても良いと思います。その際は、センドを「ポストフェーダー」にして0dBで送ります。ポストフェーダーにしないと左右の音量が同じにならないので注意してください。
あと音の処理ですが、左右に振った場合も中低域は目立ってくるので、ここもEQで削った方が良いです。ローカットフィルターも良いですが、シェルビングEQを使って900Hzあたりから下を少しカットしてもいいかも。
最後に
ここではダブルトラックを作る一例を挙げましたが、エフェクターは各社から様々なものが出ていて効果も微妙に違います。けど実際の重ね録りの音に比べると、やはり加工した感じの音なのですよね。なので自分の好みに合うエフェクターを選んで、どういう鳴らし方が一番良いのかを探ってみてもらえたらと思います。
Mitchie M のコメント:
オリジナルのオーディオを加工してダブルトラックのオーディオを作るプラグインもあるよね
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【著者:Mitchie M @_MitchieM】
コメント
ダブルトラックは知ってました!
エフェクターでできるんですねぇ。
すごい。
本物のダブルには及びませんが、近い効果が得られます。^^