Logic Proのコンプレッサー(Compressor)は、画面右の「Side Chain」ボタンを有効にすることで、この機能を使うことができます。
サイドチェインと言っても、クラブミュージックで良く聴く「ンワンワ」したやつではありません(外部サイドチェインを設定すればできます)。
ここでは元の音にフィルターをかけることで、これをコンプ処理の信号に使用して音を圧縮することができます。
画面はこんな感じです。
各パラメータの解説
DETECTION
「DETECTION」の項目「MAX」は、ステレオチャンネル信号の片方がTHRESHOLDを下回ったり上回ったりしたときに両方のチャンネルを圧縮。
一方「SUM」は、両方のチャンネルの合計レベルがTHRESHOLDを上回ったときに圧縮が実行されます。
「Peak」(信号ピーク)と「RMS」(信号の平均値)の選択は、Compressorが「Platinum Digital」の場合のみ選択できます。
FILTER
ここでサイドチェインのオン/オフを切り替えます。また「LISTEN」はサイドチェインの信号を聴くときにオンにします。
FREQUENCY
「MODE」によってサイドチェイン信号にかける処理の周波数を設定します。
MODE
サイドチェイン信号にかける処理方法を設定します。「LP」(ローパス)、「BP」(バンドパス)、「HP」(ハイパス)、「ParEQ」(パラメトリック)、「HS」(ハイシェルビング)から選択可能。
Q
「MODE」で設定された処理の帯域幅を設定します。
GAIN
「MODE」で「ParEQ」か「HS」を選択した時に、そのゲイン量を設定できます。
サイドチェインの使い方
と、こんな感じなのですが、これを何に使うのかを簡単にお話しします。
一番有名な使い方は、ボーカルの歯擦音を抑えるディエッサーでの使用です。
この場合「MODE」を「ParEQ」、「FREQUENCY」を歯擦音の帯域に設定、「GAIN」を上げて、サイドチェインコンプを歯擦音で反応するように設定します。このようにすることで、歯擦音の部分でコンプが反応し、ディエッサーとして機能します。
ディエッサーはLogic Proにもエフェクトが付属してます。けどあれは、かけられる帯域が1.2kHzから12kHzと狭いのですよね。
そこで、コンプのサイドチェインを使えば、低い帯域でもディエッサーとして活用できます。
例えばベースの低音(例えば100Hzから200Hz辺りとか)が膨らみすぎた部分で、サイドチェインを使ってコンプが反応するようにすれば、ベースの音量をうまくコントロールすることも可能です。
あとは、信号のかかる帯域によってコンプのかかり方が違ってくるので、色々と試してみるといいでしょう。コンプを深くかけた場合には効果がそこそこ違ってきます。
例えばスネアドラムのコンプは、サイドチェインなしだと、主に音量の大きい低域の胴鳴り(150~300Hz付近)に反応している場合が多いです。
スネアの周波数分布はこんな感じ。
これをサイドチェインをオンにして、中域の皮の鳴りでコンプするようにすると、かかり方が違ってきます。
この場合、自分は「MODE」を「BP」にして、「Q」=1で、「FREQUENCY」を中域(例えば2kHzとか)に設定したりします。
音数の多いオケだと、胴鳴りがあまり聴こえなくて中域以上の音が目立つので、このやり方でコンプした方が良い場合もあります。
信号の元の音の特徴や、トラックとの兼ね合いもありますので、コンプ感がイメージと違う時はサイドチェインを試してみると良いでしょう。
あとはディエッサー的な使い方ができれば、とりあえず色々な場面で活用できると思います。
関連商品
Mitchie M の最後に一言:
音作りは時代と共に細かくなってくるね(汗)
▼ 他にもCompressorのこんな記事を書いてます。
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
コメント
頭がこんがらがってきそうです(^_^;)
ほんと音作りって奥が深いんですねぇ。
最近は本当細かい部分までいじれるようになってしまって、逆に面倒でもありますね。(^^;)