Vocalic Editorで、音を切るときに使う音素記号「Sil」と「Asp」。両者は音を切るという機能は同じですが、性質は若干異なります。
例えば、下の画像のように「あ [a]」と「い [i]」という2音があったとします。
この時、「あ」のノートの終わりと、「い」のノートの頭に十分距離(時間)があれば、自動的「あ」と「い」は音が切れます。
音のサンプルは用意してませんが、下のスクショのピッチラインを見てわかる通り、音は切れてます。
けど、十分な距離が保てない場合は音が繋がってしまいます。ピッチラインは下の画像のような感じです。
で、このような場合に音を切る役割をするのが、「Sil」と「Asp」です。
まずは発音記号「Sil」と音素記号を打ち込んだノートを「あ」と「い」の間に入れます。
すると、下のスクショ画像のピッチラインからわかるように、音が切れました。
ここで、「Sil」の代わりに「Asp」を入れても効果は同じか?というと少し違うのです。下の画像のようになります。
「Sil」の場合とピッチラインが若干違うのですね。「Sil」はそのノート自体のピッチは無視されますが、「Asp」の場合はそのノートの高さによってピッチ変化に影響を与えます。
では「それがどのような使い道があるか?」というのを、次に示します。
ここでは「あ」の語尾を下げて、「い」はしゃくり上げて入りたい場合の例です。「Asp」をこの位置に置いてみます。
すると、「Asp」のノートがピッチの経過点となるので、次のような思い通りのピッチラインになります。
ちなみに、ここでは効果がわかりやすいように、ポルタメントタイミングを少し調整してます。デフォルトの64だと、少しわかりにくいかと思います。
このように「Asp」を置く位置によって、前方のノートの語尾と、後方のノートの頭のピッチを変化させることができます。
では「Asp」の代わりに「Sil」を使った場合どうなるかというと、下の画像のように「音は切れるけどノートの高さは無視」されてしまいます。
では最後にその音の違いを比較して聴いてみましょう。
音源には「あ」→「い」の音(フレーズ)が3つ入ってますが、
- 1つ目:「Sil」「Asp」なし
- 2つ目:「Sil」
- 3つ目:「Asp」
となってます。
1つ目は「あ」と「い」の音が繋がってしまう例です。で、2つ目がその音を切るために「Sil」を入れてます。3つ目が「Asp」を入れてピッチ変化を付けたものです。それぞれの効果の違いを聴いてみてください。
最後に
もちろん、コントロールパラメータでピッチを書いてもこれと同じ効果は得られます。けどピッチを書くのって面倒じゃないですか。(^^;) なので、ノートを打ち込む際に、とりあえずこの方法を使ってみるのも良いかと思います。
Mitchie M のコメント:
音素記号「?」でも「Asp」と同じピッチ変化になるっぽいです
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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コメント
すごい!
こうやってフレーズを歌わせてるんですねぇ。
個人的には2つめのSil? が気に入りました!
微妙に歌い方が変わってくるので難しいのです。(^^;)
お疲れ様です
あいかわらず分かりやすい説明で読んでいて楽しいです!
マジミラ2018でもmitchieさんの様々な技が使われた楽曲が聴けるかもと楽しみです
どうもです!ライブは声が目立つので、いつも以上に気を使います。(^^;)