先日、GForce Softwareの『Oddity2』を購入しました。
Oddity2はARP ODYSSEYという70年代のシンセをエミュレートしたソフト音源です。
ARP ODYSSEYのソフト音源といえば、最近はKORGから本家を忠実に再現したものが発売されてます。
どちらを買うか迷ったのですが、最終的にはGForce Softwareの『Minimonsta』を愛用していることもあり、音作りの自由度が高そうな『Oddity2』にしました。
Oddity2はMinimonstaのように、各パラメータに独立したエンベロープ(ADSR)とLFOがかけられるので、本家以上の音作りができるのです。
ということで、ARP ODYSSEYのソフト音源を買ったらまず弾きたかった曲(フレーズ)があるのですよね。こちらです。
ハービー・ハンコックのアルバム『Head Hunters』に収録されている『Chameleon』です!個人的には「これぞ ODYSSEYのシンベ!」という音ですね。
名曲なので、Oddity2にもプリセットが入っているのか見てみることに。するとありました。
しかし!鳴らしてみると全然違う音なのですよね・・・(汗)
そこで、『Chameleon』のシンセベースの音を自分で耳コピーして作ってみたので、その作り方を解説したいと思います。
『Chameleon』のシンセベース音の作り方
VCOの設定
まずオシレータ(VCO1, VCO2) の設定から。
シンセベースなので、VCO1はFREQUENCYのCOARSEを-12にしてオクターブ下げます。
楽曲をよく聞くと、薄くオクターブの音も混ざってるような気がするので、VCO2はCOARSEを0のままに。
VCFの設定
続いてフィルターセクションです。
VCF FREQを35Hz、VCF RES(レゾナンス)を58%に設定。
レゾナンスは1%違うとだいぶ音も変わるので、ここは細かく設定した方が良いでしょう。
また、その右にあるFILTER TYPEは、3世代のODYSSEYのフィルターをエミュレートしてます。
ハービー・ハンコックのアルバム『Head Hunters』の発売は1973年なので、使われたのは1972年発売の Mk I (Model 2800)かと思われます。
Mk IのVCFは、2-pole の「4023」というものなので、Oddity2のFILTER TYPEも4023を選択。
で、このままだと音が太すぎるので、HPF CUTOFF FREQを80Hzにして、ローをカットします。
続いて、その下段のVCO MIXERを設定。
VCO1, VCO2は共にノコギリ波を選択。VCO1のボリュームは最大にして、オクターブ上を少し混ぜ、VCO2を-20dBにします。
その右の黒のスライダ、KYBD CVは0%にしておきます。
右から2番目の赤のスライダはフィルターエンベロープなのですが、これはスイッチをADSRにして、スライダの位置 (VCF Mod3 Level)を75%にします。これも1%違うとだいぶ違う音になるので、細かく設定してみてください。
そして一番右の赤のスライダはVCAなので、これもスイッチをADSRにします。
エンベロープの設定
最後にエンベロープの設定です。ここは下段のADSRしか使わないので、下の画像のように設定します。
ATTACKは0ms、DECAYが630ms、SUSが-11dB、RELが300msです。
リリースは長めな気がしますが、楽曲の音源を聴くと低音が少し長く尾を引いてるので、これくらいで良いかと。
出来上がった音を聴いてみる
以上で設定完了です。Oddity2の全体の設定画像も載せておきます。
出来上がった音はTwitterに既にアップしてるので、それを埋め込ませてもらいます。
Oddity2。ハービーハンコックの『Chameleon』のプリセット入ってたけど、全然違う音なので自分で耳コピーして音作った pic.twitter.com/HKDTiUtp5k
— Mitchie M (@_MitchieM)
いかがででしょうか?さすがに楽曲の音源と聴き比べると、コンプや歪み感など違いありますね(汗)
けど、今回作った音は一切エフェクトなしでこれくらい近づけたので、良しとしてください (^^;)
自分もOddity2を使い始めたばかりなので、もっと良い設定があるようであれば、ご自身でパラメータをカスタマイズしてみてください。
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Mitchie M のコメント:
Oddity2は今作ってる曲で使う予定です
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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