今回は80年代を代表する音、Simmons SDS-Vのシンセタムの音をLogic Pro内蔵のUltrabeatで作ってみます。
Simmonsの音はフリーのサンプル音を探せばあります。けど音の長さが欲しいものと違っていたり、意外とマッチするものを見つけるのが難しいのですよね。そこでUltrabeatでこれを作ってみようというわけです。
Simmonsのタムの音の構成要素は以下の3つです。
- ピッチダウンするディケイ・トーン音
- ディケイ・ノイズ音
- アタック・ノイズ音
これをUltrabeatの3つのオシレータに割り当てて、Simmonsのタムの音を再現します。
おそらく実機はアタックとディケイのノイズは同じオシレータを使ってるかと思いますが、ここではそれぞれを調整しやすいように、別々のオシレータを使って音を作って行きます。
ピッチダウンするディケイ・トーン音
まずはピッチダウンするディケイ音を作ります。これにはUltrabeatのOSC2を使用。
phase oscを選択し、saturationは0.02にして、わずかに歪みを加え音を太くします。
そしてpitchをA#1にして、Env3にアサイン。エンベロープでピッチが下がるようにします。
ピッチダウンの開始音高をF3くらいに設定。17度下がるようします。
このへんのピッチ感は欲しい音に合わせて調整してみてください。
Env3は下の画像のような感じで、850msくらいの長さです。
また、vol(ボリューム)エンベロープにはEnv2を使用。ディケイはEnv3と同じ850msなのですが、こちらはアタックが付くようカーブを少し変えました。こんな感じです。
開始音量は0dBで、最後は-60dBになるようにvolツマミを設定します。
これでパーカッシブな音が作れました。最後に、この音をフィルターに送ります。
フィルターはローカット(HP)で使用します。ちょっと低音が大きすぎるので。
こうして出来上がった音がこちらです。
ディケイ・ノイズ音
続いてディケイのノイズ音を作ります。これにはnoiseジェネレーターを使用。
LP(ローパスフィルタ)を選択し、cutツマミを0.83にします。res(レゾナンス)は0.71。
そしてvolのエンベロープをEnv2にアサイン。OSC3と同じボリューム変化になるようにします。ただ、こちらはボリュームを少し下げ、開始音量を-21dBにしました。
最後にこちらもフィルターに送ってください。出来上がった音がこちらです。
アタック・ノイズ音
最後にアタックのノイズ音を作るのですが、Ultrabeatにはノイズジェネレーターが1つしかありません。そこで、OSC1を使いノイズっぽい音を作ります。それがこんな感じの設定です。
fmモードにして、OSC2でOSC1が変調するようにします。なのでOSC2をオンにしないと、OSC1の音は変わりません。
そしてfm amountをLFO1にアサインして、ノイズっぽい音にします。LFO1は下の画像のように設定しました。
とにかくノイズっぽい音になれば、どんな設定でも良いです。(^^;)
OSC1のpitchは最大まで上げましたが、これをいじるとノイズの音高も変わるので好みで調整してみてください。
volのエンベロープはEnv1にアサイン。20msの短いアタック音にします。
volの開始音量は-3dBにしましたが、これがアタック感になるので好みで調節してみてください。
最後にEQで全体の高域を3dBブーストしました。
聴いてみるとこんな感じの音です。
完成した音を聴いてみる
そしてこの3つを混ぜた音がこちらです。
このプリセット元にしてピッチや音長などを変更し、ハイからロータムまで作るとこうなります。
これはノンエフェクトですが、コンプなどをかけるとさらに良い感じになるかと。
もちろん実機と聴き比べたら違いはありますが、そこまで似てる必要がなければこれでも十分だと思います。
実際に自分もこの音を曲中で使ってますし、何より音を細かい部分まで自由にエディットできるというのが最大の利点です!
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Mitchie M のコメント:
Simmonsのタムは音に特徴があるのでよく使いますね
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
コメント
すみません。間違えて本名にしてしまいました。
どうもありがとうございます!コメント読ませてもらいました。念のため本名は非公開にしておきます (^^;)