先日、AppleのDAWソフト「Logic Pro X」が10.2.1にアップデートされました。
Logic Pro X – 音楽制作。そのすべてを極めるために。 – Apple(日本)
バグなども修正されて、付属プラグインについては一部のGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)が新しくなりました。
なので自分も早速インストール。試しに既存のファイルを開いて鳴らしてみたのですが・・・
「あれ?タムの音こんな小さかったっけ?」(汗)
ミックスのバランスが前のバージョンと若干違うのですよね・・・。で、調べてみたところ、とりあえず付属プラグインの「Limiter」の音のかかり方が、10.2.1では少し違うことがわかりました。
さらに、具体的に「Limiter」のどのパラメータが影響してるのか検証してみることに。
すると意外な事がわかりました。「Limiter」プラグインは以前のバージョンでは「Output Level」のパラメータがバグで「スレッショルド」として機能していることが判明。
これが前のバージョンの「Limiter」のGUIです。もちろん「Output Level」は出力する音量をコントロールするパラメータなので「スレッショルド」ではありません。Logicの「Limiter」はスレッショルドが0dBで固定されているので、本来であれば動かせないのですよね。
ところが、テスト・オシレーターのサイン波で検証してみると・・・
0dBのサイン波を鳴らしていて、Limiterの「Gain」が0dBなので、「Gain Reduction」は反応しないはずです。しかし「Output Level」を下げた分だけ「Gain Reduction」が作動します。
これはバグです。実際スレッショルドを超えてない音の場合「Output Level」を動かしても音量は変わりません。
で、これがLogic Pro X 10.2.1の「Limiter」のGUI。
こちらは「Output Level」は普通に出力音量を調整するだけのパラメータとなってます。つまりバグが修正されたわけです。
それが影響して「Limiter」プラグインを挿しているトラックは10.2.1で音の違いを生じたのですね。
以上のことから、Logic Pro X 10.2.0以前に作ったデータは、「Limiter」を使用していると、10.2.1では正確に再現されない可能性があります(特にOutput Levelをいじっている場合)。注意しましょう。
今回のアップデートによるプラグインの中身の修正が「Limiter」だけなのかわからないので、Logic Pro X 10.2.1にアップデートする前に、10.2.0のアプリケーションはコピーして残した方が良いと思います。
追記(2016/2/11):
あと、自分の環境では、Logic Pro X 10.2.1でEXS24でサンプルをノーマライズしようとすると落ちます。Logic Pro X 10.2.0だと問題なく実行できます。
コメント
お疲れ様です(Windowsの記事は
大忙しでようやく読みました
新たなものは必ずいらだちますが
そんなん感じさせない良い内容でした)
アップデートするとイコライザーとかの
類いもですがなぜこうなるんでしょうかね?
いち組織が作ってるはずなのに…
必ず以前のバージョンに戻せるか、
保険は絶対必要ですね
音楽を聞くプレイヤーですら同様です
機能が向上すると言うから
アップデートしたらなぜ音質が下がる
…こわいですね
場合によっては「何もしない」方がいい時もあるのですよね。(^^;)