歌のフレーズにおいて最後の音の語尾は、少し伸ばしてデクレッシェンド気味に終わることが多いです。
そこで、VOCALOID(この記事では初音ミク)において、この語尾を綺麗にリアルな感じで鳴らす方法を紹介したいと思います。
ダイナミクス (DYN) のみだと・・・
まず、普通は語尾のデクレッシェンドはダイナミクス (DYN) を使って音量を下げて打ち込んでいる人も多いかと思います。下の画像のような感じです。
ここでは直線的にダイナミクスを下げてますが、本来ならカーブをつけた方が良いかと。ただここでは単純化するために直線で書いておきます。
それを聴いてみるとこんな感じです(使用するボイスバンクは初音ミクV4X Original)。
音はデクレッシェンドしてますが、ダイナミクスは音が少し丸くなるものの、基本的には音量が下がるだけです。なので声質は変わらないため機械っぽさが出てしまうのですね。
クロスシンセシス (XSY) で声に変化を付ける
上記の問題を解決するために、自分はクロスシンセシス (XSY) でセカンダリーシンガーに初音ミクの「Sweet」を設定。
そして打ち込む際は、ダイナミクスが下がるのに合わせ「Sweet」をクロスフェード。これにより声がだんだん弱くなり、語尾をリアルに近い声質にします。
聴いてみるとこんな感じです。
いかがでしょうか?「Sweet」にクロスフェードして行くに従って声が弱くなり、ダイナミクスのみの時より声の力が抜けて行く感じが出たかと思います。
E.V.E.C. で最後にVoice ColorのSoftを加える
そして、音の最後の方を分割してVoice ColorのSoftを加えると、さらに声質の変化を付けることができます。
上の画像は最後に「a#2」を打ち込んで、Voice ColorのSoftを加えました。
それを聴いてみるとこんな感じです。
いかがでしょうか?語尾に大きな声質の変化が付きリアルな感じになったかと思います。
ソロで聴くと若干ですがSoftに切り替わった時の違和感はあるものの、オケに混ぜればほぼ気にならいので、自分はこの方法を多用してます。
最後に
語尾の声質については、音数の多い曲ではオケに埋もれてほとんど気になりませんが、音数の少ない曲では結構目立ちます。
バラードとか歌い上げる系の曲でこの方法で処理してみると良いでしょう。
自分は未だに最新版のVOCALOID5ではなく、VOCALOID4 Editorを使ってるのですが、やはりクロスシンセシスが使えるというのが大きいですね (^^;)
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Mitchie M のコメント:
自分の作品では『未来序曲』以降この方法を多用してます
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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