今回は国民的アニメ『ルパン三世』の、OPテーマ曲のシンセ効果音の作り方を解説したいと思います。
『ルパン三世』のテーマ曲にはいくつかバージョンがあります。が、ここでは『ルパン三世のテーマ’78』のバージョンでのシンセ音を扱います。
で、曲のどの部分でのシンセ効果音かというと、秒数でいうと0:31くらい。ピート・マックジュニアの歌ありバージョンで場所を説明すると、Aメロの、
「瞳の(ビュビューン・ビュビューン)奥に 獲物を(ビュビューン・ビュビューン)映して」
の「ビュビューン」という効果音です。
これは簡単に言うと、シンセのオシレーターシンクという機能を使って作られた音です。ではその音の作り方の解説に行ってみましょう!
『ルパン三世』シンセ効果音の作り方
まず、使用するシンセですが、オシレーターシンクが出来るシンセなら、ほぼ近い音が作れます。
ここでは自分の愛用してるDAWソフト『Logic Pro』付属のES2を使用することに。
最初にそのES2の設定画面を紹介するとこんな感じ。
では各パラメータを解説します。
まずオシレーターですが、2番のみをオンにて、SYNCのノコギリ波を選択。で、周波数ノブを24sにしてください。
次にENV3(エンベロープ3)を、アタック=5.20ms、ディケイ=610ms、サスティン=0、リリース=0に設定。
で、最後にオシレータ2のピッチをENV3にかけます(ルーターの左から3番目のユニット)。かける量に関しては最大にはせず、上に0.89くらいが良いです。
これでシンセの音は完成!実に簡単。鍵盤のG1のキーを押してみましょう。ソロで聴くと結構エグい音が鳴ります。いかがでしょうか?
シンセの音にエフェクトをかける
ただ、このままだとラインのそのままの音なので、少しエフェクトをかけます。
まず、シンセの減衰音を持ち上げたいので、チャンネルにコンプを挿入。使ったのはLogic Pro付属のCompressor。
音のアタックを抑えて余韻を持ち上げる感じです。
次にアンプシミュレータを使ってシンセの音を丸くし、少し空気感を出します。Logic Pro付属のAmp Designerを使用。
ここではAmpは”Large Blackface”、Cabinetは”Silverface 2×12″、Micは”Dynamic 57″を使用。
で、原曲の音源をよく聴くと、4分音符のディレイがかかってるの、Tape Delayを挿入。
最後にリバーブをかけます。ヴィンテージ系プレートとかスプリングの方が雰囲気が出るかと。
ここでは Space Designer内臓プリセットのスプリングリバーブ(Large Space > Spring Reverbs > Rack Spring Flat)を選択して使いました。
これで音の全体が完成!
チャンネルにインサートしたエフェクトはこうなりました。
で、出来上がった音はこちらのSoundCloudに置いてあります。
いかがでしょうか。音は似てるかな?(^^;) ちなみに原曲だと音を右か左に振ってますね。
最後にまとめ
今回はES2を使いましたが、大体どのシンセを使っても近い音は作れるかと。
けどオシレータシンクやエンベロープのかかり方には個体差があります。なので、色々なシンセで試してみると音の違いが出て、それぞれのシンセの特徴がわかるかと思います。
ちなみにNative InstrumentsのMssiveではこのような設定になりました。
オシレータシンクのかかり方はMassiveの方が気持ち良いですね!参考までに。
Mitchie M の最後に一言:
音をコピーするのはとても勉強になるよ。
▼ 他にもこんな音作りの記事を書いてます。
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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