日本での楽曲制作の仕事は、多くの場合アレンジャーの編曲については買取りとなり、楽曲が使用されてもアレンジの使用料は発生しません。
しかし、日本音楽著作権協会 (JASRAC)では「公表時編曲」という制度があり、これを利用することによって、アレンジャーが一部の印税(使用料)を得ることができます。
そこでこの「公表時編曲」について解説したいと思います。
公表時編曲とは
公表時編曲について、JASRACのWEBサイトにはこう書かれています。
ポップスや歌謡曲などのアレンジャーが、分配を受けられる「公表時編曲」という制度があります。
公表時編曲とは、作品がはじめてCD等の録音物で発売される時に付された編曲のことです。公表時編曲者には、カラオケ歌唱による演奏使用料の1/12が分配されます。公表時編曲者としてお届けいただける著作者は、JASRACの会員・信託者に限られます。編曲審査委員会での審査はありません。
つまり、アレンジャーは公表時編曲者として届け出れば、その楽曲がカラオケで使用された時に、使用料の1/12が分配されるわけです。
この1/12が大きいか小さいかは場合によるので置いといて、もらえるものはもらっておきたいところです。
公表時編曲を利用するための注意点
追記(2023/10/03):公表時編曲制度の取り扱いの変更がありました。
ただしこの制度の利用には注意があるので、それを以下にまとめました。
作品がはじめてCD等の録音物で発売される時に付された編曲でないと利用できない- 分配されるのはカラオケの演奏使用料のみ
登録できる公表時編曲者は一人のみ- JASRACと信託契約を結ぶため、自身の全作品がJASRAC管理となる
それぞれについて詳しく書いて行きます。
まず、公表時編曲という名の通り、作品がはじめてCD等の録音物で発売される時に付された編曲であることが条件です。よって既に発表されている楽曲をアレンジしても、公表時編曲者として登録はできません。また、配信のみの楽曲についても、録音物ではないので公表時編曲の登録は不可です。
次に、分配されるのはカラオケのみです。その他での使用料は分配されません。なので、その楽曲がカラオケ配信されていなければ、公表時編曲者として届出ても登録はされますが意味がないです。
そして、公表時編曲者として登録できるのは一人だけです。よって編曲を複数人が担当した場合でも、一人しか登録できません。これはJASRACのサイトには書いてありませんが、以前に自分が電話で問い合わせをして確認しました。
ちなみに、公表時編曲の登録は下の画像のような作品届の用紙に書いてJASRACに送ります。ネットでも申請できますが。
このように公表時編曲の欄に名前は一人しか書けません。
最後にこれが重要なのですが、公表時編曲制度を利用するには、JASRACと信託契約を結びます。そのため自身の全作品がJASRAC管理となります。過去に作った曲も、これから作る曲もです。作品単位で管理してもらうことはできません。
2020年9月からは信託契約のみであれば申込金は不要になりました。なので費用はかかりません。アレンジャーさんは、自分の活動の仕方を踏まえた上で、JASRACと信託契約を結んで公表時編曲の分配を得るかを検討してみると良いかと思います。出版社が付いてるなら「部分信託」という方法もありますし。
最後に
海外だとアレンジャーは作曲者と同等に扱われますが、まだ日本ではアレンジャーの待遇は海外ほど良くないような気がします。
楽曲制作で一番時間がかかり専門知識も要るのがアレンジなんですけどね。結構面倒な作業なのでアレンジをやりたがらない人も多いですね (^^;)
編曲できる人は作曲もできるので、個人的にはなるべく作曲をメインで手掛けられるようにした方が良いのではないかと思います。売れっ子のアレンジャーとかでなければ・・・。
とりあえず、公表時編曲はアレンジャーが使用料を得られる数少ない制度のうちの一つなので、うまく利用すると良いでしょう。
Mitchie M のコメント:
最近ではアレンジャーがミックスする事も多いし
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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