音楽制作では便利なので良く使う Logic ProのUltrabeat。
Ultrabeatはドラムの音作をするには機能が充実しているので、ドラム関係はできるだけこれで読み込むようにしてます。
そこで今回は、Ultrabeatのノイズジェネレータを使って、ドラムのアタックを補強する方法をご紹介したいと思います。
これは「気に入った音のドラムサンプルがあるけどアタックの音が弱い」または「オケに埋もれてキックのアタックが聴こえなくなった」という場合に有効な技です。
以下例ではキック(バスドラ)の補強をしてみますが、使い方さえわかれば、他の打楽器でも応用可能なので、参考にして頂けたら幸いです。
Ultrabeatのノイズジェネレータを使ってドラムのアタックを補強する
まず最初に、ドラムサンプルを読み込みます。今回は波形を見てもわかりやすいようにTR-909のキックの音を使用。
オシレータ(osc2)に、サンプルのTR-909のキックのwavファイルを読み込みます。
次に、Ultrabeatのノイズジェネレータを使用。noiseオシレータをオンにします。
で、フィルターモードは「BP(バンドパス)」、モジュレーション(mod)はここでは「エンベロープ2(Env2)」にアサイン。
ノイズ周波数のノブは、説明しにくいので画像のように設定してください(汗)。要するにEnv2に合わせて、ノイズ周波数が下がっていく設定です。
次に、ノイズオシレータのボリュームもエンベロープ2にアサイン。これで音量がEnv2に合わせて減衰していきます。
ここで、ノブの音量の最大値はサンプルの音との兼ね合いになるので、サンプルのwavとノイズ音を混ぜて聴いてみて決定してください。
そして、エンベロープ2の設定はこんな感じ。
20msとかなり短いです。この超短い時間のノイズを混ぜることによって、アタックを付加するのですね。長さはだいたい20ms前後でしっくり来る事が多いです。
けどいきなりこの数値で始めると、ノイズ音が短すぎてどんな音なのかわかりにくいです。なので、もっと長い時間から音を聴きながら徐々に縮めていくといいでしょう。
次はフィルターセクション。フィルターはオフで、ディストーションを「crush」モードで使用します。
各値は画像のような感じです。ここは好みで調節してください。ホワイトノイズの音がちょっと丸まって、ドラムのアタックっぽい音に変化します。
で、最後に画面全体を見るとこうなりました。
では、キックの波形が実際どう変わったのか見比べてみましょう。
まずはTR-909のキックのwavファイルそのまま。
頭にほんの少しアタックのノイズがあって、あとはサイン 波に近いです。これだとアタックは、音数の多いオケでは埋もれてしまいがちです。
次はUltrabeatでアタックにノイズを加えた波形がこちら。
2波長分くらいノイズが加わっているのがわかるか思います。これによって頭の部分のアタックが目立つようになりました!
最後に
ということで、このようにノイズジェネレータは、ドラムのアタックを補強するのに使えます。
加えるノイズの量や音の加減は、混ぜるサンプルの音次第なので、パラメータをいじって色々と試してみてください。
なお、ノイズジェネレータを既に使用している場合、OSC1をFM変調することで似たようなノイズが得られます。
これをアタックにすることもできるので、工夫して音作りをしてみてください。
関連商品
Mitchie M の最後に一言:
ドラムの音作りは奥が深いので、また機会があれば記事を書きたいと思います。
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
コメント