Logic Pro内蔵のエキサイター (Exciter) には、2つのタイプの音色「Color 1」と「Color 2」が用意されてます。
個人的な印象としては「Color 1」は強く前面に出る感じで、「Color 2」は自然な音で抜けを良くしてくれる感じ。ちなみに自分は「Color 2」の方を良く使いますね。
これが具体的にどういう音のかかり方をしているのか検証してみたので、その解説記事を書いてみたいと思います。
Color 1の音の傾向
まずはColor 1の音色を検証。設定は下の画像のようにします。
「Frequency」は20 Hz。これでハイパスフィルターがかからないようにします。
そして「Dry Signal」は通常はONで使うのですが、今回はOFFにして、エフェクト音のみを確認。
「Harmonics」は 50%とします。
この状態で1kHzのサイン波を入力して、Channel EQのスペアナで確認。するとこうなりました。
第2倍音が強く付加されてますね。これにより音が前面に出てくる感じなのでしょうか。
ちなみに、小さいレベルでも他の倍音は付加はありませんでした。
Color 2の音の傾向
続いて、Color 1と同じ設定でColor 2の音色を見てみます。
すると下の画像のようになりました。
こちらは第3倍音が付加されてます。少し高い部分の倍音が付くことで抜けが良くなってるということでしょうか。ただ、Color 1ほど強く付加されていないですね。
こちらも小さいレベルでも他の倍音はありません。
ちなみに、Color 1、Color 2ともにHarmonicsのパラメータを上げても倍音の付き方は変わりませんでした。なのでこれはMixレベルに相当するパラメータでしょう。
あと、おまけでFrequencyを2kHzに設定して、ホワイトノイズを入力してみました。
するとこんな感じ。
ハイパスフィルターは-12dB/Octくらいのスロープでかかってて、同じ-12dB/Octくらいのハイカットフィルター(Frequencyと連動)もかかってるのですね。これにより狙った周波数周辺のみ歪みを加えて、音を前面に出しているのかと。
この仕組み分かれば、Busで送った音に他の歪み系エフェクトをかけて、独自のエキサイター音を作るのも面白いかも知れません。
最後に
こうして見てみると、Logic Pro内蔵エキサイターはシンプルな倍音の付き方という印象です。例えばiZotope Ozoneのエキサイターだともっと複雑な倍音が付きます。
逆に言えばLogic ProのExciterは色付けの少ない音なので、特にColor 2は自然な音のまま少し抜けを良くするには便利かと思います。
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Mitchie M のコメント:
あとLogic ProにはPhat FXにもエキサイターが装備されてて、こちらも音のかかり方が違います。
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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