先日、故・阿久悠氏が書いた作詞の本『作詞入門 阿久式ヒット・ソングの技法』を読み終えました。
そこで、復習も兼ねて個人的に参考になった部分をブログの記事にまとめてみたいと思います。
阿久悠著『作詞入門』について
まず、著者の阿久悠氏といえば、泣く子も黙る超大御所の作詞家さんであります!
▶︎ Wikipedia:阿久悠
作詞の分野って作曲ほど本が出てなくて、有名な方が書いた本となると現状ほとんどありません。そういう意味でこの本は一流の方がどう考えて作詞をしているのかを知ることができる、貴重な本です。
この本は書かれた時期が何年も前なので、本文中に出てくる内容や参考曲も古いです。けど今でも通用する部分は多々あるかと思いました。
本は全240ページで、基本的には4章構成です(序章、別章もあり)。内容は自分なりに要約すると次のようになってます。
- 第1章 阿久悠の作詞論
- 第2章 作詞家デビューまでの道のり
- 第3章 阿久悠作詞のヒット曲がどのようにしてできたか
- 第4章 詞の書き方
で、それぞれの章で参考になった言葉などを、自分なりにまとめました。
第1章 阿久悠の作詞論
第1章は作詞の仕事の基本的なスタンスについて書かれてます。自分的なポイントは以下のような感じ。
- 得意なジャンルにとどまらず、どんなタイプの詞でも書けなくてはいけない
- 同感でなく反感でもいいから、リスナーの興味を引くものが書けなければ商売にならない
- 作詞をする際は、まず詞の内容の映像を思い浮かべる
- タイトルを始めに決める
- 自分に経験のない分野や、得意でない分野の仕事が来たら、逆にそれを面白がるようでなければいけない
自分と阿久悠氏を並べるのは恐れ多いですが(汗)、特に(4)は同感ですね!タイトルを先に決めてしまうと方向性が定まり、スラスラ書けることが多いです。
第2章 作詞家デビューまでの道のり
第2章は阿久悠氏が作詞デビューをするまでの経緯が書かれてます。元々は広告代理店で働いていて、テレビ作家を経て作詞家になったのですね。
- あせらず地道に続ける
- 作詞家になる道は一つではないし、これをやれば必ずなれるというものもない
第3章 阿久悠作詞のヒット曲がどのようにしてできたか
第3章は阿久悠氏のヒット曲の分析的な事が書かれてます。けど細かい部分まで踏み込んだ内容ではありません。ここでは楽曲の簡単な解説といった感じです。
- 話しのタネになるような音楽でないと売れない
- 歌は聴いた後、楽しいものでなくてはならない。悲し内容でも最後は救いがなければいけない
- 時代性が大事。その時代の人が何を欲してるかを考えてみるべし
(2)は別の作詞本でも書いてあったのですが、悲しい救いようのない内容の曲は一時的には聴かれても、後になかなか生き残りにくいそうです。確かに世の中の名曲ってだいたい前向きな内容のものですよね。
第4章 詞の書き方
ここでは詞の書き方と、心構えや身につけたい習慣についても述べられてます。
- 読書をし、芝居や映画を見る。本はジャンル問わず乱読する
- 洋画のシナリオを読むのも良い
- ムダであっても(結果的に詞で使われなくても)ストーリーを考える
- 物事を多面的な角度から見る習慣を身につける
- 時代の飢餓感を捉える
ここでは作詞の技法について書かれてますが、そんな理論的なものはなく、氏独自の方法論的な感じです。特に(2) (3)は映画好きな阿久悠氏らしい内容ですね。
(5) はこの本の中で何度か述べられている事から「時代」を捉える事がヒットを生み出した最大の要因と言えるかもしれません。
まとめ
この本には別章もあって、そこには作詞家になりたい人への助言も書かれてます。「入門」ですし本の内容からすると、これから作詞を勉強する人向けではあります。
けど最初に述べたように、一流の作詞家の考え方にも触れる事ができるので、ぜひ作詞に興味のある方々全般にオススメしたいですね!
Mitchie M の最後に一言:
昭和の名曲を知るのにも役立ったよ。
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
コメント
お疲れ様です
これはどの仕事にも共通点がある事ですね
売る為、納得させる為、勝つ為ですね
戦いは常に感じ方を変えなければ力だけでは勝てんのだよ!
と某アニメキャラwwwが発したのですが指導や教壇でよく使います
今回の記事も織り混ぜて応用して使わせていただきますw
まぁ力だけで勝てる人、売る人、一般から見ると片寄ったやり方の人もいますが、やり通す、コツコツってのは一緒ですね
おっしゃる通り、個人に合ったやり方がありますからね。(^^;)
ただ一流の人のやり方って誰にも真似できない部分を持ってるから一流なわけで、参考にならなかったり・・・。