今回は、ミックスでボーカルトラックを綺麗に聴かせるためには、AUXエフェクトは何をかければ良いか?について書いてみたいと思います。自己流なところもあるのですが、参考になれば幸いです。
ちなみに、インサートエフェクトについては以前記事にしてるので、こちらを参考にしてもらえたら。少し内容が古いですが(汗)
ボーカルトラックのAUXエフェクト
ボーカルトラックのAUXエフェクトは、ディレイとリバーブをかけるのが定番でしょう。
で、自分の場合はこれに加え、アーリーリフレクション(初期反射音)と、ボーカル・ダブラーをかけます。それぞれについて以下で解説します。
ディレイ
まずはディレイです。こちらは主に、ボーカルを際立たせ奥行きや声の厚みを加える目的で使用します。また、ディレイ音を左右に広げる事で、声の広がりも加えられます。
ボーカル・ディレイといっても、ロング・ディレイ、ピンポン・ディレイ、スラップ・ディレイなど、様々な選択肢があるので、曲調に合うディレイを選ぶ必要があるのですね。
▼ 参考記事
最近ではボーカル・ディレイをかけない曲もあるので、必ずなくてはならいものではないです。けど、ラップなどパーカッシブなボーカルにはディレイがない方が合ってたりするので、場合によってはナシという選択肢も考えてみるといいでしょう。
リバーブ
リバーブはディレイ同様、ボーカルに奥行き、声の厚み、広がりを加える目的で使用。
ディレイと違いリバーブは余韻を付加するので、自然な感じで空間を埋めてくれます。
リバーブの種類は、ホール、ルーム、プレートが主ですが、ボカロ曲メインの自分としてはホール系の使用率が高いです。ボカロの場合、声質が人間と少し違うので、リバーブにEQしないと声の抜けが悪くなり言葉が前に出てこない場合が多々ありますね・・・。
またトラックの音数が多くなると、ボーカルリバーブが聴こえにくくなります。それにより、必ずしも高音質のリバーブ・プラグインが良い結果をもたらすわけではないので、手持ちのリバーブを色々試してみると良いでしょう。
アーリーリフレクション
アーリーリフレクション(初期反射音)とは、残響において一番初めに反射して跳ね返ってくる音のことです。リバーブプラグインならアーリーリフレクションを設定できるものもあるのですが、自分はこのアーリーリフレクションを単独でボーカルのAUXエフェクトに使用します。
アーリーリフレクションを使用する目的は、ボーカルに広がりを加え、声をくっきりさせるためです。
もちろんディレイでも広がりは付加できますが、アーリーリフレクションはすぐ反響が返ってくるので、ボーカルの原音とほぼ重なって鳴ります。そのため原音が広がっているように聴こえ、声がくっきりするのですね。もちろんこれを加えることでリバーブの残響感もリアルになります。
アーリーリフレクションをかける際は、AUXのセンド量を大きくしないのがコツです。うっすら聴こえるようにすると、自然な広がりを得る事ができます。
なお、リバーブにもアーリーリフレクションを使用してる場合は、そちらをオフにしてください。曲中ではリバーブの量を変えることもあるので、アーリーリフレクションを単独で使用すれば、安定したレベルでこの音を付加できます。
ボーカル・ダブラー
ボーカル・ダブラーは必ず使うわけではないですが、トラックの空間に余裕がある場合、ボーカルの原音をそのまま広げる目的で使います。
プラグインはiZotopeのVOCAL DOUBLERがフリーでおすすめ。
なお、オケの音数が多かったり、ボーカルの人数が多い場合は使用しない方が良いでしょう。
ソロの歌唱でボーカル・ダブラーを使えば、歌が前面に出て存在感が増します。こちらもうっすらエフェクトをかけると自然な広がりになります。
ダブルにする目的でボーカル・ダブラーを使うなら、歌のダブルを録音して使った方が良い結果になるのではないでしょうか?
最後に
以上で述べた4つのエフェクトを全て使う必要はありません。曲中でセクションごとにセンド量や広がりを変えたりして、変化を付けて使うと効果的でしょう。特にディレイとリバーブはサビで一番音が広がるようにすると盛り上がります。
またエフェクトにローカットやEQによる音作りも必要になるので、エフェクトの後ろにEQプラグインを挿すことをオススメします。
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Mitchie M のコメント:
AUXセンドのオートメーションを書く作業は必須です
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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