音楽のミキシングは奥が深く、難易度が高い作業の一つです。何年やってても常に学びがあり、各パートのバランスを取るには尽力が必要ですが、けどそれが、ミキシングの魅力とも言えます。
失敗を避けるための一つの方法として、モニターだけでなくヘッドフォンやコンポなどの小型スピーカーでも確認するという手法が一般的です。これは、異なる再生装置を通して音を聴くことで、音のバランスや音色、エフェクトなどの効果をより詳細に確認できるからです。さらに、様々な再生装置で聴くことで、ミキシングの品質を客観的に判断できるようになるのですね。
ただ個人的には、これだけでは不十分なのですよね・・・。そこで、自分は別の方法を導入してミックスの確認作業を行っています。それは、「モニターからなるべく離れてミキシング作業をする」という方法です。具体的には、モニターから約5~6m離れて聴くようにします。
PCとオーディオIFをモニターから離した位置に配置し、長いシールドで接続、その場で音をチェックしながらミキシングします。
5~6mというのは自分の環境の場合で、部屋やモニターの大きさにもよるかと。可能な範囲でモニターから離れた位置で作業してみてください。
この手法を取ると、音はほとんどモノラルで聞こえます。また、モニターの近くで聴くときと比べて、細部の音が聴こえにくくなるという特徴があります。けどこれにより、音全体に集中し、ミキシング全体のバランスをより客観的に評価することができるのですね。特定の楽器が部分的に大きすぎたり、ボーカルの歌詞が聞きづらい場合など、音量やEQの細かな問題点がよりはっきりと分かります。
ただ、前述したようにこの方法だと音の細部までは分かりません。特にステレオの定位感はモニターから離れた位置では判断しきれないため、このミキシングが一通り終わった後は、通常通りモニターの前で最終チェックを行うと良いでしょう。
さらに、この状態でリファレンスの音楽と自分のミキシングを比較するのも有効な手段です。それにより、自分のミキシングが一般流通してる音楽にどれほど近いか客観的な判断できます。
このミキシング方法での注意点としては、音量はあまり大きくしないことです。音が大きいと部屋の残響が加わってバランスが崩れます。
ということで、この方法を試すことでミキシングの品質が飛躍的に向上するわけではありませんが、後になって「この部分の音大きすぎた!」と言ったようなミスは確実に減ります。興味のある方はぜひ試してみてください。
【著者:Mitchie M @_MitchieM】
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