新作の初音ミクがVR空間でライブするMV『ボカロカルチャー』制作記(音楽編)

お陰さまで、YouTubeでは20時間かからず10万再生を達成した、新作MVの『ボカロカルチャー』

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この音楽はボカロ曲のマッシュアップなので、自分のオリジナルというわけではないのですが、マッシュアップ作りの手法の紹介も兼ねて、その音楽の制作過程を記事にしたいと思います。

『ボカロカルチャー』の音楽制作過程

BPMについて

まず曲を作り始める前に決めるのがBPM(テンポ)です。

通常のマッシュアップだったら、ダンスミュージックで今標準の128BPMくらいになると思います。けどボカロ曲のマッシュアップを作るとなると、ボカロは基本的にBPMがもっと速いので、128BPMでは遅いのですね。これはサンプリングした音をタイムストレッチした際の音質にも関わってきます。

とはいえ120くらいの良い曲もあるので、少しテンポを速めて140BPMにしました。

140ならギリギリEDM的な4つ打ちアレンジでも大丈夫ですし、トランス的なのもOKです。しかもダブステップがこのBPMなので、アレンジに変化を付けられるため、このBPMに決定!

トラック作りと構成

トラックについては、さすがにそこからボカロ曲のサンプルを使って作るのは難しいので、基本的な自作のリズムとベースの上にサンプルを乗せていく形にしました。

コード進行はループが基本なので、その点ではオリジナル曲を作るより楽でしたね。(^^;)

MVではPAD演奏の部分を入れたかったので、そこは中盤でダブステップにして、細かいサンプルを鳴らすアレンジにすることに。

あと映像との兼ね合いで、初音ミクが歌う部分も入れたかったので、最後の30秒くらいはカバーみたいな感じで歌ってもらうことにしました。

サンプルのネタ選びとミックス方法

サンプルのネタについては、自分が「カッコイイ!」と思ったり「これ合いそう!」というのを基本的に選びます。

ネタ選びの際は、イントロが比較的欲しい音がソロで鳴ってたりするので、そこが使いやすいです。ただ、他のトラックの音が混ざってる時がほとんどなので、そういう場合はEQなどでカットしていきます。

欲しい音だけを抜き出すツールも売られてますが、それ以外の音がオケに混ざるとグルーブを生んだりするので、完全に抜き出さなくても大丈夫です。そこがサンプリングの面白さでもあるので。

 
コードとテンポについてはLogic付属の「Time & Pitch Machine」で合わせました。

time and pitch machine

ただアルゴリズムについては、Seratoの「Pitch’ n Time LE」を使ってます。

SERATO ( セラート ) / Pitch n Time LE 3.0

▶︎ SERATO ( セラート ) / Pitch n Time LE 3.0

これを使うと、高音質で綺麗にサンプルをピッチシフト&タイムストレッチできます。

あとサンプルのコードが曲と合わない場合は使用を諦めます。(^^;) そういう事もよくありますし、ボツになったネタも実際多かったです・・・。

 
逆に偶然にも曲にピッタリ合う時もあります。

たとえばMVの最後は「ハジメテノオト」をミクが歌いますが、ここのオケのコードはその前のパートの「Tell Your World」の進行をそのまま引き継いです。

「ハジメテノオト」のメロディーと、「Tell Your World」のコード進行が合うというのは全く予想してなくて、偶然一致したという感じですね。これがマッシュアップの楽しさでもあります!

 
ではサンプル選びの話に戻ります。

サンプルから声の部分を使いたい場合、ボーカルなどは定位がセンターに位置されている場合が多いので、そういうサンプルを使用したい場合は、とりあえずサイドの音を下げると、左右のオケの音が下がり使いやすくなります。

channel eq

LogicのEQだと下に「Side Only」という項目を選択できるので、これにして全体を下げればセンターの声が目立つようになります。

 
あとミックスの際に困るのはサンプルの質感ですかね。曲によって音の質感はそれぞれなので、統一感を持たせるのが難しいです。

そういう時は、サンプルをローファイ感を加える事で、質感を統一していきます。

ここで活躍したのが、Logic Pro付属のエフェクター「Bit Crusher」。

bit crusher

これをかけて古いサンプラーで鳴ってるような質感にします。

設定については、僕は

  • Drive:3.0
  • Resolution:11bit
  • Downsampling :5x

をデフォルトに設定して愛用してます。とくに中盤のダブステップ・パートのサンプルで多用してますね。

ただ、「Bit Crusher」をかけると高域が耳障りなので、10khzくらいから上をハイカットした方が良いです。

まとめ

こんな感じマッシュアップを作りましたが、サンプリングミュージックを作る基本は「とにかくネタ合わせ」でしょうか。

何が曲に合うかはわかりません。気になったサンプルはとりあえず曲にぶち込んでみましょう。(^^;)

ボツになることも多いですが、ピッタリ曲に合った時の快感は格別です!それを楽しみに作ってみると良いかと思います。

 
Mitchie M のコメント:

 

こういう商業案件ではできないような事をやるのも、時には楽しいです。(^^;)

 

【著者:Mitchie M @_MitchieM

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コメント

  1. あゆみ より:

    お疲れ様です
    mitchieさんは商業案件…売れる、テーマにそったものを造る、造れるプロなのだと思いますが、過去の楽曲を聴いて売れる為のあざとさも感じる時がありましたが今回は…素直に楽しい、mitchie mサウンド、俺の作品をききやがれ!みたいな気迫を感じました、結果感動しました
    今回の記事もこだわりがわかってより良かったです
    尚、題材に八王子P、kzさんが入っているのが意外

    尚、DJの知人が今回の楽曲を聴いてガチなトランス曲をmitchieさんに期待したいとか

    いつも良い楽曲をありがとうございます!

    • Mitchie M Mitchie M より:

      コメントありがとうございます!(^^;)
      実は今まで自分以外のPさんの曲ってあまり聴いてなかったのですが、
      今回色々なPさんの曲を聞くと、音がバラエティーに富んでて新鮮でした!
      その楽しさが自分の音に出たのかも知れません。^^

  2. まみりん より:

    Mitchieさんこんにちは(・∀・)ノ
    連日の雨で自転車通勤を断念しておとなしくバス通勤してるまみりんです!

    まぁそれで通勤時間が短縮された分、ウォークマンを聴きながら広い館内を軽快にウォーキング出来るから雨も悪くないのですが。

    そしてその時の音楽はだいたいBPM128の曲を選んでます。なんでも運動時に於いて効果的に体脂肪燃焼される心拍数がおよそ120から140なんだとか
    実際に心拍数がそこまであがってるかどうかわからないけど、気持ち的に身体に良いことしてるという満足感が大切だと思うので(笑)

    そんなわけでボカロカルチャーもウォーキングの最終仕上げに鳴らしてみたいと思っています。

    • Mitchie M Mitchie M より:

      例年なら梅雨のない北海道が大変みたいですね。(>_<) 128BPMが運動に合うとは初めて聞きました!! このBPMは歌詞が英語だとちょうど良いのですが、日本語だと少し遅いのですよね。 テンポは奥の深い世界です。(^^;)