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Logic Pro

Logic Pro付属コンプレッサーのDISTORTIONパラメータを詳しく解説

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私もよく使っているLogic Pro付属のコンプレッサー(Compressor)

このコンプについている「DISTORTION」パラメータについて解説したいと思います。

感覚で使ってる人も多いかもしれませんが、説明書には細かいことは書いてないので、パラメータの詳細は知っておいて損はないかと思います。

Logic Pro付属コンプレッサー

まずはLogic Pro付属コンプレッサーはこちらです。

Logic Pro Compressor コンプレッサー

サーキット回路のタイプがいくつかあるのですが、今回は「Platinum Digital」を使って解説します。

なぜかというと「Platinum Digital」はコンプしても倍音が一切付かないからです。

実は他の回路タイプは、設定によっては倍音が付きます。それはいつか別の機会で記事に書ければ。

で、画面の右の方に「DISTORTION」パラメータがあります。

Logic Pro コンプレッサー DISTORTION

この「Soft」「Hard」「Clip」のそれぞれについて、Test Oscillatorでサイン波を入力し、音の傾向を見ていきたいと思います。

Soft

まずソフト。自分はこれを使うことが一番多いです。音量感も上がって音が前に出てくるのですよね。

では以下の設定のTest Oscillatorを入力してみます。

Test Oscillator Logic Pro

まずは比較のため、コンプをバイパスして、スペアナに表示。

Logic Pro コンプレッサー DISTORTION

普通の1kHzのサイン波ですね。

では「DISTORTION」を「Soft」tにしてみます。

Logic Pro コンプレッサー DISTORTION

3kHzの倍音が付きました。そこそこ大きい音量ですね。これが「Soft」をオンにすると音量感が上がる要因でしょう。

原音に近い倍音が上がるので「Soft」は音量感を上げたい場合に向いていると言えます。

では、これを踏まえて次は「Hard」を試します。

Hard

「Hard」は名前ほど音に勢いは出ないのですよね。「Soft」の方が音が前に出ます。

ではその音の傾向をサイン波で見てみます。こちら。

Logic Pro コンプレッサー DISTORTION

「Hard」は高い倍音が付く感じですね。

3kHzについては「Soft」に比べると大きくありません。なので音量感は「Soft」ほど上ったように感じないのですね。

なので「Hard」は高い帯域の倍音を付けたい場合に向いていると言えるでしょう。

Clip

この「Clip」に関しては、パラメータをオンにしただけでは倍音は加わりません。

実は「Clip」は、コンプを通過して出力された音が0dBを超えたときに歪みが加わるようになってます。

例えばコンプの画面で見るとこんな感じ。

Logic Pro コンプレッサー DISTORTION

0dBのサイン波を入力して「MAKE UP」で1dB上げてます。

コンプはしてないので、通常だったらOUTPUTメーターが赤くなりますよね。けど「Clip」を選択してるので赤くなりません。

もう少し詳しく言うと、「Clip」で歪むのはOUTPUTのメーターで0dBではなく、その前の段階で0dBということです。なので「OUTPUT GAIN」で音量は調節できます。

その時の歪みはこんな感じ。

Logic Pro コンプレッサー DISTORTION

「DISTORTION」をオフにして、OUTPUTをオーバーロードさせたのとは違う感じの歪みが加わります。

ここで注意なのは、「Clip」はこのような仕組みなこともあり、「Limiter」をオンにしてると歪みは加わりませんので、それは覚えておいた方が良いかと思います。

自分は「Clip」はあまり使ってないのですが、今後色々と試してみたいですね。

最後に

ここで紹介したパラメータは、基本的にはコンプ本体の設定や、サーキット回路のタイプには関係ないかと思われます(自分が聴いた感じではたぶん)。

コンプはスルーして「DISTORTION」だけオンにして、音を太くする使い方もアリですね。

何か参考になれば幸いです。

Mitchie M の最後に一言:

 

何年使っててもコンプは奥が深くて難しい。

 

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【著者:Mitchie M @_MitchieM

コメント

  1. こういう数値もいろいろ試しながら個人の色をつけていくものなのでしょうね。
    ほんと奥深いです。

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